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公開日:2015.12.04
「小坪の環境守って」
ホテル建設構想に市民ら要望書
2020年東京五輪セーリング競技の江の島開催を見据え、逗子マリーナで持ち上がっている高層ホテル建設構想について、市民らが組織する「逗子・鎌倉・葉山・湘南の環境を守る会」は先月25日、市の条例順守や大規模開発防止を求める要望書を平井竜一市長に提出した。同会が募った1万8780人分の署名も添え、小坪の環境保全を訴えた。
1万8千人分の署名、市長に
ホテル建設は逗子マリーナを運営するリビエラグループの小坪地区再開発に向けた構想の一環で、他にも五輪関連のボートやヨットを係留させるための防波堤拡張や国道とマリーナを結ぶバイパスの建造などが描かれている。大会関係者やVIP用の宿泊施設が求められている一方、景観や自然環境への影響を懸念する地元住民からは計画に反対する声が高まっていた。
要望書ではこれらの構想は地域の環境を壊しかねないと懸念を表明。市まちづくり条例が定める高さ制限(20m)を超える高層ホテル建設や防波堤の拡張、国道バイパスの建造は自然への影響が大きく五輪の理念からも逸脱するとし、環境を重視した大会を実現するためには「貴重な自然や湘南で守り継がれてきた景観を守ることが不可欠」と訴えている。
この日は同会メンバー9人が市長を訪問。提出は非公式で行われ、提出後、共同代表の馬渕哲夫さん(67)は「一社に利するような開発は好ましくない。市には条例を守ってほしいということに尽きる」と話した。
平井市長は翌26日、市役所で行われた定例会記者会見で、同社の描く再開発案について記者の質問に答えた。ホテル建設については「大会の計画が具体化していない中で、市としてコメントする立場にない」と従来の姿勢を示した上で「市にはまちづくり条例や都市計画があり、運用は市としての責務」と述べた。電子署名を含めると4万人分近くが寄せられたことについては「それだけ多くの人が関心を持っているということ」。条例が定める20m(特例で24m)以上の建設については、都市計画法に基づいて「議論の余地はあるが、住民合意が大前提だ」と述べた。またプレ五輪まで3年半と期間が迫っていることを踏まえ「短期間で事業着手まで至るのは至難の業。この1年ほどで合意形成を図らないと間に合わないのでは」とも語った。
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