先月15日まで米・ワシントンで開催された聴覚障がい者のバレーボール「デフバレー」の世界選手権で、長柄在住の中田美緒さん(15)が日本女子代表選手として出場し、世界4位の成績に貢献した。チーム最年少ながら、個人でもサーブ部門で最優秀賞を獲得。来年トルコで開催される「デフリンピック」の出場に向けても弾みをつけた。
中田さんは生まれつきほとんど耳が聴こえず補聴器を着用している。母と姉の影響で中学1年生のときに本格的にバレーを始め、現在は高校の部活だけでなく、他校への遠征なども精力的にこなし、競技漬けの日々を送っている。
世界選手権に出場するのは初めて。中学2年生のときにプレーが関係者の目に留まり、同年冬から日本女子代表の強化合宿に参加。15〜30代の選手が集まる中存在感を示し、今回日本代表の座を射止めた。
ポジションはセッター。世界選手権には米国や東欧、西欧から8カ国が出場しており、身体が大きく屈強な選手が多い外国勢を相手に「緊張や怖さもあったけど、チームでは一番若いので積極的にボールを触っていこうと思っていました」と心境を振り返る。大会ではゲームメーカーとして試合を組み立てる一方、「ジャンプフローターサーブ」と呼ばれる難易度の高いサーブを要所で決め、得点面でも勝利に貢献した。
チームは米・ウクライナ・露に次ぐ4位。今大会を振り返って「体格が上回る選手を相手に正面から向かっても太刀打ちできない。相手の隙を突いてどう得点に結びつけるか、とても勉強になりました」、ベストサーバー賞に輝いたことについては「まさか自分がと思っていたので驚きました」とはにかむ。
デフリンピックは聴覚障がい者の五輪とも呼ばれる世界最高峰の大会。世界選手権の結果で日本代表女子は世界ランキング4位につけ、すでに出場を決めている。大会出場を目指す中田さんは「まずはメンバーに選ばれるよう、まわりの人や応援してくれる人への感謝を忘れずにがんばりたい」と意気込んだ。
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