逗子・葉山版 掲載号:2016年10月21日号 エリアトップへ

沼間在住蟹江さん 関東大震災の教訓、今に 空撮写真集を自費出版

社会

掲載号:2016年10月21日号

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写真集を紹介する蟹江さん
写真集を紹介する蟹江さん

 日本の地震災害史上最も多くの犠牲者を出した1923(大正12)年の関東大震災。10万5千人余りの命が失われた未曾有の災禍を当時の空撮写真で伝える写真集を「ジオ神奈川」代表で地質学者の蟹江康光さん(75)=沼間在住=が自費出版した。「防災やまちづくりを考える上で、当時の教訓を今に役立ててほしい」と話している。

 逗子海岸沿いの別荘地が軒並み倒壊し、津波が田越川を遡上した痕跡が上空からでも見てとれる。写真集の題名は「関東大震災―未公開空撮写真 神奈川は被災地だった」。相模湾を震源とするマグニチュード8の激しい揺れや火災で甚大な被害があった横浜や三浦半島、湘南地域を中心に、被害の大きかった伊豆や房総半島も写真と解説を交えて取り上げている。

 長年地質や地盤の調査、自然災害について研究している蟹江さん。県内市町村でも防災の機運が高まる一方、「関東大震災という実際に身近で起きた災害を今や多くの人が知らず、(被害の想定範囲や避難経路を示す)ハザードマップも架空の地震や津波を想定している」と危機感を抱いたという。3年前に地域の空撮写真の存在を知り収集を始め、インターネット上で資金を募る「クラウドファンディング」を活用しながらジオ神奈川事務局長で妻の由紀さん(67)と出版の準備を進めてきた。

 空撮写真は震災後、陸海軍が飛行船や気球から撮影したもの。終戦の45年まで軍事機密とされていたが、保管する防衛研究所戦史研究センターの協力を得たほか、14年に逗子で写真展を開催した際に海軍関係者の家族から寄せられた横須賀鎮守府管内の空撮写真なども入手。約60点の空撮写真と断片的な地上写真を組み合わせることで当時の被害状況を克明に伝えている。

 B5判174頁で500部発行。逗子市立図書館で閲覧できるほか、希望者には1部5千円(税込)で販売する。問合せは蟹江さん【電話】046・873・6283

 あす22日(土)には出版記念の講演会と写真展が市民交流センターで開かれる。午後6時から8時。500円。

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