「逗子アートフェスティバル2017」で総合プロデューサー・ディレクターを務める 柴田“shiba” 雄一郎さん 鎌倉市長谷在住 51歳
アート通じて繋がりを
○…政府や企業のIT戦略に野外音楽フェス。これまで様々な分野で、前衛的な事業を形にしてきたプロの「仕掛け人」だ。5年前に始まった逗子アートフェスティバル。3年に1度の記念年に、全体の参加企画を統括する責任者として白羽の矢が立った。目指すのは、地域の内外に暮らす人、どちらの視点からでも楽しめる一大アートイベントだ。
○…数年前に地元作家らが先端の映像作品を披露するイベントに参加。「逗子には面白い人がたくさんいる。この人たちとなら新しい文化が作れるかもしれない」と感じたのが仕事を請け負ったきっかけ。アートフェス成功の鍵は何か。たどり着いた答えが、世代を問わずにそうした「面白い人」を繋ぐこと。「僕自身がハブ(繋ぎ役)になって、橋渡しができれば」。次代のまちづくりを担う30・40代の若手にも積極的に参加を呼びかけ、新しい風を送り込んだ。「地域の人同士が繋がりを深める。そのことが、実は大事なことなんです」
○…地方創生に関する政府の事業を手掛けたとき、国の行く末を案じずにはいられなかった。低迷し続ける経済成長率、少子高齢化、人口減。実情を分析すれば、将来が先細るのは明らかだったからだ。「国は変えられないかもしれない。でも、自分に出来ることはあるはず」。持続可能なまちづくりを実現する一つの解として導き出したのが、地域コミュニティーの再生だった。
○…お金をかければ著名な作品を招致することもできるだろう。だが、それだけでは見る人との間に共感は生まれない。だから、参加作品は逗子という地域性が垣間見えるものを主眼に置いた。米軍との共同使用という特殊な環境にある池子の森、漁村の趣が今に残る小坪漁港。外の目線で光を当てれば、逗子にはまだ多くの魅力が眠っている。それらを再発見するのがアートという名のスイッチ。「作品の向こう側にあるもの。それを”対話”を通じて感じ取ってほしい」
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