慢性的な人材不足が続く保育業界。10月から幼児教育・保育の無償化が始まることから、その傾向に拍車がかかることが見込まれる。逗子市は来月、「保育フェア」を初開催。市内の施設の特徴を紹介し、学生だけでなく資格を持っている「潜在保育士」にアピールしたい考えだ。
今回、企画した市保育課の粟飯原なおみさんは保育士不足へ強い危機感を持つ。「求人募集をしてもなかなか集まらず、各園では知り合いの紹介等でなんとか確保している。保育士がいないために、定員より少ない園児しか受け入れていないところもある」という。
10月1日からは幼児教育・保育の無償化が実施される。幼稚園や保育所、認定こども園、地域型保育、企業主導型保育事業等を利用する3歳から5歳までの子どもたちの利用料が無償化されるもので、これを機に入園希望者が増加することが見込まれる。「現状でも綱渡りの状況だが、10月以降はどうなるのか、想像がつかない」と語る。
自治体間で”争奪戦”
横浜市や藤沢市などでは国と市、施設が1人あたり最大8万2千円を補助する「保育士宿舎借り上げ支援事業」を採用。また、近隣の横須賀市では経験年数7年以上の保育士の給与に月額4万円の上乗せを行い、人材確保に乗り出している。
自治体同士による「争奪戦」の様相を呈しているが、逗子市は財政難のためにそうした施策を打ち出せずにいるのが現状だ。粟飯原さんは「自然に囲まれた環境で素晴らしい保育をしている園がたくさんある。ブランクを経て、働いている50〜60代の方も増えており、柔軟な働き方もできるのが特徴。逗子らしい魅力をしっかりアピールしていきたい」とした。
「働きやすさ知って」
「ずし保育フェア」は9月6日(金)と7日(土)の2日間、逗子市役所1階ロビーで行われる。午前9時から午後4時30分まで。会場には市内にある公立と私立の7保育園のブースが設けられ、パネルなどで各園の特徴や保育の理念を知ることができるほか、期間中は園長や保育士が常駐。職場環境や待遇、他のスタッフたちの働き方などについて具体的に聞くことができる。また希望者には各園の見学ツアーも行う予定という。
問い合わせは市保育課【電話】046・872・8118へ。
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