葉山町は5月に、栃木県那須町と「御用邸友好都市協定」を締結する方向で準備を進めている。ともに町内に御用邸があることから、議員や町長間の交流を深めており、情報交換や災害時の相互連携、子どもたちの自然体験交流などを行っていく方針という。
町によると御用邸はこれまで、全国に15カ所建造されたが、現存するのは葉山町と那須町のほか、静岡県下田市の3カ所のみ。
町は「今なお、御用邸のあるまち」として、ロイヤルリゾートの地として全国な知名度があり、山や海など自然環境に恵まれている共通点をあげ、「御用邸のあるまち」として価値を高め、発信していきたい考え。昨年11月に両町の職員が、今年1月には山梨崇仁町長と平山幸宏那須町長がオンラインで会談した。
具体的には、政策等の情報交換と質向上に向けた研鑽、災害時の相互連携・支援、物産イベントへの参加といった産業分野における相互連携、子どもたちの海・山体験交流、町議会の定期交流などを想定している。式典は5月8日(土)、那須町で実施される予定という。
豊かな自然
那須御用邸は当時皇太子殿下であった昭和天皇の御成婚後のご静養の場として、本邸が1926年、付属邸が1935年に建てられた。
豊かな自然が残る敷地内の森に生息する動植物について調査・研究が1997年度から5年にわたって実施。その結果、ブナの自然林が広がり希少種など多くの動植物が生息していることが確認されたという。
豊かな環境を残しつつ、国民がこの自然に触れあえる場として活用してはどうかとの上皇陛下のお考えを受け、上皇陛下御在位20年の節目に、御用邸用地のおよそ半分に当たる約560ヘクタールが宮内庁から環境省へ移管。その後、モニタリング調査と並行してフィールドセンターや遊歩道の整備が行われ、2011年に日光国立公園「那須平成の森」として開園した。
下田市とも調整進む
また、須崎御用邸がある下田市とも協定を締結する方向で、両市町の職員レベルで準備が進められている。今後、提携の最終確認に向けた首長会談を行う予定という。
21年度に市政50周年と御用邸建設50周年を迎える同市。その一環として、夏から秋をめどに、町と調印式を実施する方針で調整を行っているという。
山梨町長は先月17日の21年度町議会第1回定例会本会議で協定に言及。「1市2町の3者の連携が前提なのか、町と直接なのかについて、今後議論していく。まずは交流し、行政同士の情報交換をすることで、互いに有意義な関係が結べると考えている」とした。
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