2021年第1回逗子海水浴場の運営に関する検討会が先月25日、逗子市役所で開かれた。市は、今夏の海水浴場開設を前提にルール作りを行っていく姿勢を表明。感染症対策や地域住民の安心安全を確保する仕組み作りについて議論された。
昨夏、海水浴場を巡っては、県から海水浴場の開設者らに「砂浜に一定間隔で目印を設置すること」「海の家を完全予約制に」などと求める指針を示され、逗子市を含む県内すべての海水浴場が開設を中止した。
今年もすでに県から「2021年度版海水浴場ルールに関するガイドライン(案)」が示され、黒岩祐治県知事は先月、「感染対策の徹底を前提に、基本的には開設できるのでは」と見解を述べていた。
これらをもとに市は「2021年度逗子海水浴場事業者・利用者ルール(案)」を作成。検討会で議論が行われた。
市のルール案では、開設期間を例年より後ろ倒し。例年6月末から8月末だったが、7月2日(金)から9月5日(日)までとした。また、海の家の営業と利用者に関する注意事項及びルールとして、「逗子海水浴場における新型コロナウイルス感染症の感染防止に関するルール(案)」も提示された。
具体的には、海水浴場設置者が行うべき事項として▽場内放送により、1時間に1回程度、来場者への身体的距離(できるだけ2m、最低1m)の確保をするよう呼び掛ける▽実施している感染防止対策を来場者が見える場所やホームページに掲載して、安心して利用してもらえるようにする▽監視員・警備員・看護師について、毎日健康チェックを実施し、発熱や風邪の症状がみられる場合は従事させない▽接触確認アプリ(COCOAや県LINEコロナお知らせシステム)の活用を推進する、とした。
また、海の家事業者が行うべき事項として▽「神奈川県感染防止対策取組書」を活用し、海の家が取り組んでいる感染防止対策の内容を表示する▽LINE公式アカウント「県新型コロナ対策事業者サポート」の機能である「感染症対策動画」を活用し、感染防止のための具体的な方法を従業員に周知する▽身体的距離を確保して客席を配置、利用設備・機材を配置する▽従業員及び来店客等のマスク等着用を徹底する▽「適切なマスク着用、アルコール消毒、アクリル板等でしゃへい、距離と換気」を徹底し、黙食・個食・マスク飲食の実施を呼び掛ける、としたほか、換気扇を常に回したり、来客が入れ替わるタイミングでの店内消毒の実施を行うことを明記した。
利用者については、来場前の体温・体調チェックや往復時のマスクの着用、海岸での身体的距離の確保や咳エチケットの徹底、海の家入店時の手指消毒を行うことなどを盛り込んだ。市では度重なるルール違反者などへの「退場のお願い」といった対応も検討しており、現在詳細を詰めているという。
逗子海岸営業協同組合の菊池千春組合長はこうしたルールに加え、独自に「ペイペイ」といったキャッシュレス決済の導入や県のLINEコロナお知らせシステムを全店舗に配備することを表明。混雑する時間帯を周知する方法も検討していくという。検討会メンバーからは、「海の家でマスクの販売を」「鉄道駅で機器を設置し、検温できないか」といった声が上がった。市はこの日出た意見を踏まえ、ルールを策定し5月上旬に開設の可否を判断する。
ブルーフラッグ取得へ
また、厳しい基準を満たした砂浜などに贈られる国際的な認証制度「ブルーフラッグ」取得に向けた水質調査などが、今夏にも行われることがわかった。組合の担当常務理事・勝田康司さんによると、33項目にわたる検査で各分野の専門家が評価。順調にいけば来年にも取得できる見込みという。近隣では鎌倉市の由比ガ浜海岸が2016年に取得している。
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