コロナ禍における学びの機会を保障しようと、逗子市と葉山町の公立小中学校がオンライン授業の活用に取り組んでいる。すでに端末は全ての児童・生徒の手に渡ったが、運用には学校・家庭両者の理解と慣れ、そして協力関係が不可欠だ。
オンライン授業の実施までには、様々な手順が必要だ。各家庭の通信環境を確認し、Wi―Fi機器がない場合などは学校の一室を使えるようにするなど対処。また、端末使用時のルールや紛失・破損時の対応を児童生徒・保護者と共有。その後にテスト配信で接続を確認して、ようやく運用に向けたスタートラインに立てる。
教育委員会が方針を示し、各校ごとに実施するため、進捗に多少差はあるものの、すでに両市町すべての小中学校でテスト配信は完了し、オンライン授業ができる環境が整った。一方的な配信か、先生とやり取りできる双方向の配信かは、各校やクラスごとに異なるが、すでにライブ配信を行っている所もあるという。
課題に一苦労
子どもたち、特に小学校低学年に対しては保護者のサポートが不可欠な実態も浮き彫りとなった。
自宅で初めてテスト配信を受けた葉山町立小学校に通う3年生の男子は、貸与されたグーグルの端末「クロームブック」を慣れた手つきで操作していた。しかし、「クラスルーム」と呼ばれるページへの移動や資料の格納場所を探すのに一苦労。両親とともに試行錯誤し、課題をこなしていた。9月初旬にテスト配信を体験した逗子市立小学校に通う1年生の女子を持つ母親は「親がつきっきりでないと、1年生にはなかなか厳しい」と感想を話す。
夏休み明けの短縮授業期間を経て、逗子市では9月21日から平常授業を行っている。葉山町では9月末に緊急事態宣言が解除された場合、10月4日(月)以降に通常授業となる方針が示されている。
ただ、濃厚接触者に指定されたり、感染症への不安から登校を控えている子どもたちについては、両教育委員会とも欠席ではなく、「出席停止扱い」としている。感染状況を見ながら、当面は登校できなかったり、オンライン授業を希望する子どもたちに向けて、学びの機会を円滑に提供する環境整備に注力する。また今後、学級閉鎖等の事態が発生した際の対応も見据え、準備を進める方針だ。
(9月20日起稿)
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