逗子市内で頻発する土砂災害。その被害軽減や未然防止につなげようと、市は民間企業の協力を得て実証実験を行っている。
事業を担うのは、高幸建設株式会社(逗子市桜山4の7の5、岡川直代表取締役)。インフラ整備事業を柱に、市内で発生したがけ崩れ等にいち早く駆け付けて対応に当たるなど、災害復旧工事も行っている。
今回は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス発で、IoTとAIの高い技術力を生かしたハード/ソフトウェアを開発しているアイ・サイナップ株式会社(東京都)とタッグを組んだ。同社は鉄道や高速道路におけるのり面監視などで実績があり、連携先を模索していた岡川代表が声をかけて実現した。
10月15日には、土砂崩れが発生した池子の森自然公園内のり面に、加速度センサーと通信機能を持ったアイ・サイナップ社の「ミテテル傾斜計2」を設置した。前後左右の衝撃や傾斜の発生を感知した際、携帯通信網(4G)を通じてクラウドにデータが届き、いつ・どこからでも確認できるほか、登録者へメールでの通知も可能。また土中水分センサーを搭載しているのも特徴だ。同社IoT推進本部本部長の緒方秀俊さんは「地表の変化をいち早く伝えるだけでなく、土中水分量と傾斜の変化の関係を探り、予兆検知につなげたい」とする。
岡川さんは「のり面保護工事には莫大な費用が掛かり、民有地での対策が進まないのが課題。安価で継続的な監視体制を作ることができれば、市民や自治会単位で対策が取れるようになる。安心安全な地域づくりの一助になれば」とし、「逗子モデル」の確立に意欲を示した。
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