葉山まちづくり館で、自作のひょうたんランプを展示している 谷吉 重雄さん 葉山町一色在住 95歳
ますます盛んな創作魂
○…ひょうたんに大小の穴を開け、中から明かりを灯すことで、幻想的な光を見せるひょうたんランプを作り続けて四半世紀。95歳にして、ひょうたんにガラスを貼り付ける新たな作風に挑戦するなど、創作意欲は衰えを知らない。「もともとが不器用だから、だんだんうまくなってるんじゃないかな」と笑顔を見せる。
○…きっかけは、あるランプの展覧会場の入り口にあったひょうたんを見て、妻が得た発想だった。ひょうたんを手に入れ、制作していた妻が途中で外出した時に、何気なく続きの作業をしてみると、思いがけなく楽しく、一気に完成させた。「穴からあふれる光に感動し、それ以来とりこになった」。フランス旅行でルーブル美術館に行っても、絵も見ない人(妻談)が、今やデザインに夢中だ。
○…東京都出身。結婚後、茅ヶ崎、横浜、逗子と常に海の近くに住み、約30年前に葉山に移住。現役時代は仕事関係でゴルフが趣味だったが、引退後はきっぱりやめた。やることがなくなり、一時期、海でシーグラスを拾ってランプを作ったことが今につながる。ひょうたんに出合ってからは、ランプ作りに飽き足らず、栽培にも挑戦したが、「台風でだめになって諦めた」と苦笑い。
○…ひょうたんの調達や、開催中の葉山まちづくり館での展示、毎年の葉山芸術祭への参加などは次男が協力してくれる。デザインの多くは妻との二人三脚。「作品を見て、『欲しい』という人や、買ってくれる人もいる」。こうした周りの人への感謝の気持ちを持ちながら制作を続ける。「父は94歳、母は98歳まで生きた。葉山は100歳以上の人がたくさんいるから、その仲間入りをしたいね」と、ますます精力的だ。