逗子市内で2人の子育てをする笠井英莉さんが、「第2子以降の保育料に係る算定対象における年齢制限の撤廃を求める」陳情のため、署名活動に奔走している。5月16日からの活動で既にオンライン署名は1174筆が集まった(6月9日時点)。多くの人の後押しを受け、笠井さんは「住みやすいまちにしたい」との思いを強くする。
現在、逗子市の保育料は国のルールにのっとり、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3〜5歳児、市町村民税非課税世帯の0〜2歳児は無償。多子世帯の場合、第2子は半額、第3子以降は無償だが、その減免対象は第1子が未就学児の場合としている。
笠井さんは5歳の長男と11カ月の次男を保育園に預け、夫婦ともにフルタイム勤務。現状では長男の保育料は無償、次男は半額だが、来年長男が小学校に入学すると、次男の保育料は満額となる。陳情書では「第2子であることに変わりはないのに第1子の年齢によって負担額が変わる現制度は公平性の観点からも見直しの余地があるのでは」と訴え、【1】第1子の年齢にかかわらず、第2子の保育料を半額にする措置を講じること【2】第3子以降は、条件を問わず保育料を無償にする措置を講じることを求めた。
近隣の横須賀市や藤沢市では第1子の年齢にかかわらず第2子が半額、第3子以降は無償化になる制度を導入している。
陳情先輩が支え
笠井さんが最初に陳情を考えたのは昨年4月にネットで読んだタウンニュース藤沢版の「第2子以降の保育料『減免を』」という記事がきっかけだった。当時は自分と同じ境遇の人が議会に陳情を提出したことを知り、「逗子でも誰かがやってくれないかな」と思った程度だったが、今年4月から子どもが通う保育園にも同じ立場の人がいたこともあり、「いきおいで」やってみようと思ったという。
5月初旬、地元選出の国会議員事務所に相談を持ち掛けると、すぐに市議会議員を紹介され、面談。陳情の仕方などを教わり、陳情書や署名用紙、オンライン署名の準備を進めた。
保育園などに出向き、署名の協力を呼びかける中で、2年前に「逗子市全ての働く子育て世代に支援・補償拡充のお願いに関する陳情」があったことを知る。この前例があったことで、署名活動への協力が得られやすいという。「一人の活動だと話を聞いてもらうのも難しかったと思うが、土台があって助かっている。私の活動がまた次の誰かの活動につながればと思う」と先駆者に感謝する。
「不安やプレッシャーもありますが、より住みやすいまちになってくれたらと思って活動しています。ご協力をお願い致します」と協力を呼び掛ける。
活動の状況などはインスタグラム(@zushi_de_kosodate)で確認できる。今後集めた署名をもち、7月に桐ケ谷覚市長に面会をする予定だ。
4月から支援拡充
逗子市はこれまで国基準に準拠し、保育料の多子軽減の対象外となっていた児童(主に兄姉が認可外保育施設に在園している児童)について、今年4月から見直しをはかり市独自に軽減を行い始めた。
見直し前は第1子が認可外保育園在園の場合、第2子を多子カウント1人目とするため減免がなく、第3子が2人目として半額だったが、見直し後は、認可外に通う子を第1子としてカウントするため、第2子は半額、第3子は無料となった。これは2年前の陳情が実を結び、市がルール改正に踏み切った結果だ。
オンライン署名は二次元コードから。
問い合わせは【携帯電話】080・4405・8105、【メール】eli.adele0109@gmail.com。
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