耳から聞く図書館 声の本 届け続け40余年 蔵書は1600作品以上
10月27日(日)から秋の読書週間が始まる。市内には視覚障害者のために録音図書を作成・無料貸し出しを行っている「NPO法人耳から聞く図書館」(朝日町9の4朝日ビル3階)という団体がある。その活動は40年以上、蔵書数は1600作品を超えた。
約40年前、夏の炎天下、市内の視覚障害者の家を一軒一軒訪ね歩いたのが、創設者の水野ミツヱさんと西條節子さんの女性2人。水野さんは、4人の子どもを育て独立させた後、「今世の中で一番困っている方々のお役に立つ活動をしよう」と、当時市議会議員を務めていた西條さんに相談したという。市内に点字図書館ができる前、視覚障害者のために、テープの貸し出しだけでなく交流会なども開くなど、先駆的な活動を行った。
その意思を引継ぎ、現在理事長を務めているのが息子の水野節彦さん。元NHKアナウンサーで、現役。声で伝えるプロだ。事務所を開くのは火曜日と金曜日の週2回。水野さんは朗読勉強会の講師として月に1度、会員に自身の経験を伝えている。ポリシーは、相手の立場に立ってやること。「朗読は簡単なようで難しい。利用者にとって分かりやすいように、本に書いてある通りに読んで下さいと話している」という。
勉強会は、言葉のアクセントや文章の意味まで細かく指導する。「厳しいかもしれないが、みなさん少しずつ上達している」と笑顔を見せる。
これまで会員が声を吹き込んだ蔵書は、1600作品以上に及ぶ。水野さんは「すごいこと。みなさん元気で頑張っている。これからは、若い人たちに引き継ぐことを視野に入れながやりたい」と話した。問い合わせは、水野さん【電話】0466・87・3992へ。
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