蚊の大量発生に悩まされてきた柳小路町内会(大崎保則会長)は、蚊のいない街を目指し、住民有志で「モスキート・バスターズ柳小路」を結成。活動3年目を迎えた今夏、蚊は大幅に減少し、住民から喜びの声が上がっている。
「とにかく蚊が多くて困っていた。BBQやガーデニングを楽しもうにも、庭に出た瞬間に、10匹くらいに刺されるんだから」
同地区では長年、蚊に悩まされており、市に相談するものの、市が具体的に対策を講じてくれることは無かった。「鵠沼は自然が豊かだから仕方がない」と諦める人も多かったが、2015年4月、町内会役員6人で活動をスタートさせた。
発生源は雨水升
蚊の生態や駆除について調べたところ、主な蚊の発生源は、公道に設置されている雨水升だと確信した。雨水升の大半が8cmほどの水たまりができる構造で、その水面でメス蚊が産卵、ボウフラが孵化して蚊が発生していることを突き止めた。1回の産卵で約1〜200匹が発生するという。
「塩ならばOK」
地区内の雨水升約600個のうち約200個が水がたまる構造だった。そこで、駆除剤や中性洗剤、酢、漂白剤などを雨水升に撒いても良いかと、市土木維持課へ相談。しかし、環境汚染になるため、許可できないという回答だった。唯一認めてもらえた塩を投入し、検証したところ、ボウフラは濃度1%以上の塩水に24時間以上浸かると死滅することを確認。そこで、週1回、塩200gを投入し続けたほか、ボウフラに効果があるとされる銅も吊した。
その後のアンケートで効果を検証したところ、蚊が劇的に減少。塩と銅で成果が上がったことが分かった。「やむなく塩を使うことになったが、結果的に環境に優しい駆除になって、乳幼児の保護者も喜んで参加してくれる」。2年目は90人、今年は80人が隊員として蚊の駆除にあたっている。
蚊の発生源は、雨水升のほか、植木鉢の受皿や、池、古タイヤ、排水溝など、各家庭の敷地にもたくさんある。そのため、「モスキート通信」を年に6、7回発行し、住人への啓発も徹底的に行っているという。
課題は費用
年間の塩の使用量は3トン。総費用18万円は町内会費から捻出しており、「今後の課題」と大崎会長。代替案として、海水の放水や雨水升の「魔の8cm」を砂やコンクリートで埋めることなどを市に提案している。
一方で、思わぬ巧妙もあった。「今までご近所づきあいが無かったが、蚊の駆除ですっかり仲良くなった。モデルケースになれば」
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