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公開日:2020.07.10

「五頭龍と弁天伝説」後世に
日本財団「海ノ民話」に認定

  • 江島神社に伝わる絵巻「江嶋縁起」に記された弁財天が龍とともに島に降り立つ場面

 日本財団が主催する、海の文化を子どもたちに伝え語り継ぐ「海ノ民話のまちプロジェクト」2020年度の認定地域が先月22日に発表され、江の島に伝わる「五頭龍と弁天様」が選ばれた。認定された藤沢を含む7つの民話は、今後アニメ化され、ホームページで公開される予定。

 プロジェクトは同財団が環境汚染など海洋問題に取り組む「海と日本プロジェクト」の一環として18年に開始。国内に残る海にまつわる民話を発掘し、子どもたちにも親しみやすいアニメーションに編集。民話に込められた「思い」「警鐘」「教訓」などを通じ、海への関心を強め、文化を引き継ぐ狙いがある。

 民話は地元団体の推薦などをもとに候補を選び、地域性や継承性など独自の基準で審査。これまで10の地域が選ばれ、神奈川県の認定は今回が初となる。

 認定委員長を務めた(一社)日本昔ばなし協会代表理事で、アニメ監督・プロデューサーの沼田心之介さん=藤沢市出身=は「藤沢市は認知度が高く、観光客も多い湘南エリア。海と共に生きる人のロールモデルとして発信してほしい」とメッセージを寄せた。

江の島の誕生秘話

 「五頭龍と弁天様」は、江の島誕生にまつわる民話で、起源は江島神社などに伝わる書物『江嶋縁起』に残る。

 あらすじは、深沢で水災害を起こしていた龍が天女(弁財天)に一目惚れし、改心して夫婦となり、ともに地域の守り神になったというもの。

 江島神社では、弁財天が江の島に降りたとされる552年を節目に、60年に一度、現在腰越の龍口明神に祭られる五頭龍の神体を江の島に運び、弁財天と並べて鎮座する式年大祭を実施。周期通りなら、次回は2049年になる。

 相原圀彦宮司は「龍が水神とされる話は多い。弁財天も元の名は『清らかな水の音』という意味。当時地域に住む人にとって、川や海は、恵みも災害ももたらす畏怖、畏敬すべきもの。民話に親しむきっかけになれば」と話した。

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