新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、県内の自治体間で重視する接種方法など対応が割れている。現状は、かかりつけ医など医療機関で接種する「個別」か公共施設など比較的広い場所で一斉に接種する「集団」に分かれるが、双方の利点が異なるため、判断が分かれているようだ。
藤沢市が先行して推進するのは個別接種。80歳以上の市民から段階的に年齢を引き下げてクーポン券を発送し、これまで約8500人が1回目の接種を終えた。
重視するのは、重症化しやすいとされる高齢者のリスク回避だ。個別接種は各医療機関が注射器あたり6回接種できる倍数の人数で予約管理し、通常診療とも平行せねばならず、集団接種と比べればスピード感に劣る。
ただ、「手術歴や糖尿病など基礎疾患の有無を知るかかりつけ医の方が接種の可否を判断しやすい」(市ワクチン接種担当)。重症化リスクの高い人を念頭に置くと個別接種を優先せざるを得ないのが実情といい、今後6月下旬から始まる集団接種と組み合わせ、接種の拡大を図る考えだ。
一方、集団接種を優先するのが鎌倉市。すでに65歳以上の高齢者にクーポンを発送し終えており、22日までに5962人が1回目の接種を終えた。対象者に占める割合は10・72%で藤沢市の接種率を上回る。人数が多いことから6の倍数での接種体制も組みやすく、「スピードが早く無駄がない」(同市担当)ことを重視したという。
一方、人口規模が近い横須賀市では、開始直後から集団と個別を同時平行で進める「分離型体制」を推進。集団接種は公共施設と商業施設の2会場で週7日行い、24日までに4千人以上が1回目の接種を受けた。これに加え、140ある医療機関での個別接種も進んでいる。
自治体間で対応に差があることについて、同市担当者は「人口規模や高齢者人口に差があり、対応が異なるのは当然でむしろ一律にすれば足枷になる。自治体の実情に合わせ、最善手を判断するしかない」と話した。
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|