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公開日:2021.06.04

中学校給食「自校方式に」
選択制デリバリーの課題提起

  • 署名を呼び掛ける同会メンバーら

 全員制の温かい給食を中学校でも――。藤沢で子育てする母親の有志からなる「小学校のような全員制の中学校給食をめざす藤沢の会」(山口哉子代表)がこのほど、市立中学校で自校方式の完全給食実施を市に求める署名活動を開始した。現行の選択制デリバリー方式は公平性などに課題があるとし、署名活動を経て市議会に請願を目指すとしている。



保護者ら請願へ署名活動



 「中学生に温かい給食を。署名集めています」



 先月28日、藤沢駅南口2階通路で同会メンバーなど10数人が通行人に呼び掛けた。同会の山口代表(41)は市の中学校給食について「弁当持参の子は市からの補助が受けられず、アレルギーにも非対応。食事時間がわずか15分という短さ、喫食率の低さなど多くの課題がある」と指摘する。



 中学校給食を巡っては、神奈川県が全国的に実施が遅れている背景がある。同会の中心メンバーは小中学生の子どもを持ち、元々県外に暮らしていた母親ら。藤沢では自校調理で提供する完全給食が小学校までと知り、中学校までの実施を求めて声を上げることにした。10月末まで署名活動を続け、市議会に請願を提出する予定という。



 この日、署名活動に参加した小学生の娘がいる食育関連業の女性(35)は「選択制では子どもが食べるものが別々。補助金など公平性も考えると、中学校も自校式の給食が望ましい」と話す。



喫食率3割推移



 市は2014年度から一部中学校で、選択制デリバリーによる中学校給食を開始。調理設備の整備を伴う自校方式は財政負担が大きく、全校実施まで年数を要することなどを踏まえ、19年10月までに全19校に拡大した。



 現行では、予め申し込むと市の管理栄養士が考案し、民間業者が調理した弁当が届く仕組み。希望者は一食あたり330円で利用でき、調理や配送、予約システムにかかる費用は市が負担する。



 市学校給食課によると、給食を利用する生徒の割合(喫食率)は導入以来3割程度を推移。19年度は27・2%だった。現行の課題について同課では「誰でも申し込める形で、補助金に格差があるとは考えていない。一方で、生徒全員分の給食が提供できるかは大きな課題と捉えている。今後、課題整理をした上であり方についても検討していく」と述べた。



昼食わずか15分、なぜ?



 同会が署名活動で求めるもう一つの柱が中学校での食事時間の改善だ。多くの学校がわずか15分と短く、市がデリバリー式を導入した「中学校特有の事情」(市学校給食課)でもある。なぜか。



 市教育指導課によると、中学校の授業時間は小学校より5分長い50分と決まってる。部活動の時間確保などを優先した場合、カリキュラムの都合上昼食時間を長く確保するのが難しいという。



 ただ、入学からしばらくすると多くの生徒は時間内に食事を終えるようになるといい、「ゆっくり食べたい子への配慮は必要だが、現場感覚では妥当な時間と捉えている」と話している。

 

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