長引くコロナ禍で外出が制限される子どもたちに、夏休みの思い出作りをしてもらおうと藤沢市は先月30日、市内在住の3〜12歳を対象にスポーツや観光、娯楽分野の施設で利用できる3千円相当のクーポン券を発行すると発表した。関連事業費約1億5300万円を2022年度一般会計補正予算案に計上。同様の事業は県内では例がなく、全国的にも珍しいという。
夏休みのお出かけ支援
クーポンは1枚100ポイント(100円相当)が30枚つづりになっており、夏休み期間中の7月21日から8月31日まで利用できる。配布対象者は3歳から小学6年生までの約4万人を見込む。
クーポンが利用できるのは、飲食や物販を除く「遊びや学びを体験できる施設」。現在市は参加施設を募っており、登録事業者にはクーポンの利用ポイントに応じた負担金(100ポイントあたり100円)を支払う。
市は江の島サムエル・コッキング苑や市営プールなどの公共施設を始め、水族館や映画館、観光農園などの民間施設の参加を想定。事業実施に合わせ、30施設程度を確保したい考えだ。
コロナで心理的負担
市が小中学生を対象にコロナ禍の生活に関するアンケート調査を実施したところ、小学生は外で遊べないことや外出できないことへのストレスを抱えている傾向が見られた。最近は子育て家庭の家計を圧迫する物価高騰が続いており、感染状況が落ち着いている状況を鑑みて実施する方針を決めた。コロナ禍で疲弊する市内事業者の活性化を図る狙いもある。
市議会で補正予算案が可決されれば参加事業者との協定締結などを経て、7月15日にクーポンを発送。参加施設やサービスは市ホームページやチラシで周知する。
同日の記者会見で鈴木恒夫市長は事業について「思い出や居場所づくりの機会として、子どもたちに藤沢を遊び尽くしてもらいたい」と述べた。
事業への参加申し込みは市ホームページなどで受け付けている。問い合わせは市子育て企画課【電話】0466・50・3562。
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