水耕栽培と水産養殖をかけ合わせた次世代の循環型農業「アクアポニックス」の実証実験を他社などと行うコミュニティー型の農園、「ふじさわアクポニビレッジ」が7月1日に長後に完成した。運営する(株)アクポニ(横浜市中区)の濱田健吾代表(43)は「藤沢は都市農業のモデルのロケーションに最適。全国へアクポニの魅力を発信できるはず」と期待を寄せる。
アクアポニックスは、自然の生態系をもとに開発された、水耕栽培と水産養殖を同時に行う新型農法。魚の養殖水を微生物で分解し水耕栽培に使用、きれいになった水をまた養殖水に使う循環型の仕組みとなっている。
水槽の水替え、土作りや水やり、除草などの作業が不要なため農業の中でも参入のハードルが低いことや、生産品の安全性の高さなどが強み。また、土耕農業と比較し、同じ面積で約7倍の収穫量が得られる点や環境負荷の低さなど、SDGsの側面からの注目も集まっているという。
農園は総面積500平方メートル。同社が展開する3サイズのハウスを設置し、企業や団体などと協力して実証実験、導入検討を行えるコミュニティー型の農園となっている。
野菜はリーフレタスや水菜、バジルなどのハーブを生産。魚はイズミダイやチョウザメを養殖している。今年中に生産品の販売やイベントも予定。「周知には採れたて食材を食べてもらうことが一番。食育にもなる」と濱田さんは話す。
同社は2021年2月に大規模試験農場、「湘南アクポニ農場」を打戻に開設した。障害者の就労支援や工場の排熱対策、遊休地活用などの観点から見学者が多く、新型都市農業としての期待が高まっているとして、今回の新拠点の開園を決めた。濱田さんは「藤沢から世界へ、農業革命を広げたい」と話した。
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