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藤沢 人物風土記

公開日:2022.10.28

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の准教授で「みんなの食堂」を運営する
長谷部 葉子さん
用田在住 63歳

大学と地域をつなぐ

 ○…食を通じて地域の交流を深める「みんなの食堂」を、自身の研究会に所属する慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の学生と遠藤市民センターで運営している。「子どもから高齢者まで皆がまぜこぜになって楽しく過ごせる場」を目指して6年前にスタート。食堂を通じ、地域に根付いた豊かな人間関係の醸成を目指す。

 ○…「食いしん坊な人、誰かと話したい人、どんな人でも良い」。みんなの食堂においては年齢や立場は関係ない。皆で同じものを食べ、同じ時間を共有する。活動の中で教えることもあるし教わることもある。地元の人から寄付される四季折々の食材を自ら調理して味わうことで「自然と地域に目が向くように」という狙いもある。

 ○…より大学周辺の地域への理解を深め、地に足がついた活動がしたいとの思いから今年7月、都内から用田に住まいを移した。自然にあふれ農業が盛んな地区。植え方から野菜のルーツまで住民に教わりながら、学生と共に日々農作業に向き合う。地区を周り歴史を学ぶ郷土散策や遠藤の地域の縁側事業「もんのきの家」、祭りに参加するなど、大学と地域の日常的な顔の見える関わりを大切にしてきた。暮らしの共有を重ねる中で、地域の大学に対する目、学生の農業に対する目が変わってきたことを実感している。「肩書きを忘れた関係性が理想。学生も地域を構成する一員であると、自然に認識されてほしい」と願う。

 ○…これからも周囲の人々と共に暮らしつながりながら、大学と地域の持続可能な連携の形を探り続ける。縁を持たせてもらえている土地への感謝や理解は大切に。「地域の人が考える『皆』の中に学生も当たり前にいてほしい」。そんな未来を思い描く。

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