魅力ある地産商品。地域の人に届け――。江ノ島電鉄(片瀬海岸)と「どんぐりピット」(愛知県豊田市)はこのほど、農水産物や飲食店の商品を販売する実証実験を開始する。江ノ島駅と藤沢駅の改札前に陳列販売が可能な「シェア冷蔵庫」を設置。生産者と消費者をつなぎ、地産地消を推進するとともにコロナ禍で減少した移動ニーズを掘り起こしたい考えだ。
シェア冷蔵庫「mini-ichi」は幅約1m×高さ約2m×奥行約60cm。冷蔵庫の中が7段に区切られており、最大14店舗分の商品を陳列することができる。
購入者はあらかじめ専用サイト(https://mini-ichi.com)で会員登録(無料)。冷蔵庫に備え付けのタブレット端末から商品を選択し、二次元コードで扉を開錠する。キャッシュレス決済でその場で商品を購入でき、在庫や商品情報も確認できる。
出店者は藤沢や鎌倉の生産者や飲食店など10店舗ほど。惣菜や加工品、菓子、調味料など地元色あふれる商品が並ぶ予定だ。実証実験の実施にあたっては県が県内企業とベンチャー企業による連携で課題解決を後押しする制度を活用した。
冷蔵庫を開発したどんぐりピットはこれまでも食の課題解決や地産地消の促進に取り組んでおり、CMOの瓦口翔馬さんは「冷蔵庫を今後広域展開し、地産地消をより地域で実践できる環境を整えたい」と意気込む。
一方、江ノ電としてはコロナ禍で落ち込んだ移動ニーズの掘り起こしに加え、沿線の特定エリアが混雑する観光課題を解決したい狙いがある。同電鉄経営管理部の関口純さんは「購入した商品が美味しいと思ってもらえれば、実店舗に足を向けてもらえる。食を通じた地域の魅力発見にもつながるはず」と期待する。
サービス開始は江ノ島駅が2月13日(月)、藤沢駅が2月20日(月)。同電鉄ではあす11日(祝)に藤沢駅で体験会を兼ねた説明会を開催する。午前10時から午後4時。
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