藤沢市は4月1日から、出産後の母親が心身ケアや育児指導を受けられる「産後ケア」のサービス利用補助を拡充した。新たに訪問型サービスを対象に追加。これまでの宿泊型、通所型に加え、産後1年未満の母子に対して利用料の一部支援を行い、妊娠期から産後、育児期まで継続した子育て支援を目指す。
産後ケアは、出産後の母親が心身ともに不安定になりがちな時期に、母親のケアや赤ちゃんの預かりなどを医療機関や助産師などの専門家がサポートする事業。「産後うつ」の認知度が広まる中で行政が事業支援を展開したり、民間企業の参入など全国的に支援が強化されている。
藤沢市では子育て世帯の流入増などを踏まえ、2021年4月に支援事業を開始。初年度は3時間の短期デイサービス型(通所)のみだったが、昨年度は6時間の通所型と、1泊2日から6泊7日以内の宿泊型も追加となった。
訪問型についての需要は市も把握しており、初年度からサービスを提供できる湘南助産師会と調整を続けていた。
訪問型は事前に市を通じて申し込む。1日1回、計3回まで利用可能。1回3千円で利用でき、差額を市がサービス提供先へ支払う形で支援する。市は今年度300回ほどの利用を見込んでいるという。
妊娠期面談で予兆を把握
子育て支援の総合経済対策として、国は23年度当初予算案に「伴走型相談支援」を盛り込んだ。核家族化や地域のあり方の変化を背景に、地域自治体が妊娠初期・後期、出産・産後、育児期まで継続支援する。産後ケア事業を含む応援交付金に加え、支援策の柱とされているのが面談だ。
藤沢市では2月から妊娠初期の保健師の面談に、オンライン手法を新たに設けた。これまでの相談場所は市役所本庁舎、南北の支援センターのみに限られていた。市健康づくり課は「経済不安や家庭環境などトラブルの予兆を事前に把握し、支援に漏れなくつなげられたら」と話した。
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