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公開日:2023.07.14
高校生が市に要望書
養護施設退所者に補助求め
羽鳥在住の秋元心太さん(駒澤大学高校3年)が11日、「児童養護施設の退所者と医療機関を連携するサポート体制の導入」を要望書にまとめ、藤沢市子ども青少年部の職員と意見を交わした。退所者の抱える悩みを独自に調査。行政に支援の拡充を訴えた。
「医療費の負担軽減を」
保護者のいない子どもや、虐待されている子どもなどを自立まで支援する児童養護施設。原則18歳になると退所して自立した生活を送ることになるが、身近に頼れる大人がいないことなどから退所後に経済的な不安を抱える人も多い。
秋元さんが同級生2人とともに作成した要望書では、児童が退所後、医療機関との連携が解除されることで自身の負担で医療費を支払う現状に触れ「医療費が負担できない現状から通院をあきらめる例もある」と指摘。経済的支援などサポート体制の充実を要望した。
秋元さんの活動を知った市議の紹介で意見交換の場が設けられ、同部の三ツ井幸子部長をはじめ、子ども家庭課長や子育て企画課長など6人が参加。秋元さんは、「保護者のいない退所者にとって、医療費の負担が非常に重い。支援制度があっても、知らない人や、自分から行動できない人もいる」と現状を説明した。市職員からは、「支援制度の仕組みから、18歳から20歳の間の支援が手薄になる現状がある」「行政にもっと気軽に相談できるように改善の努力が必要」「児童養護施設を管轄する県との橋渡しなど、今後も協力したい」などの声があがった。
この他にも、退所者への支援制度や他市の取り組み、交流の居場所づくりなども話し合った。
意見交換を終え、秋元さんは「制度を変えることの難しさを改めて感じた一方で、子どもたちのために社会をより良くしようという思いも感じた」と笑顔をみせた。
自分の目で現状を調査
秋元さんは、同じ高校に通う友人が児童養護施設出身であることを知ったことが課題に目を向けるきっかけとなった。「話を聞いて、社会に対する生きづらさを強く感じた」と振り返る。
高校生でもできることを模索しようと、県内13カ所の養護施設を訪問して職員に現状を調査。入所する子どもたちと触れ合う中、「多くの子どもたちは日々前向きにがんばっている。ネガティブな先入観を変えたい」という思いを強く抱いた。
「児童養護施設の子どもたちに、今すぐにできる支援」として、秋元さんは先月上旬、同級生の協力を得て横浜市の児童養護施設に子ども服約40着と靴を寄付した。
今後は、アパレル企業の協力なども呼び掛けながら、施設に住む子どもたちの思いをロゴやデザインにした服を作り、収益金の一部を寄付する事業なども構想に描く。
「養護施設に住む子どもたちや、退所して毎日を懸命に生きる人たちの姿を目の当たりにしてきた。高校生でもできることを考えて、行動することで、少しでも良い環境に変えていけたら」
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