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公開日:2024.01.12

日藤サッカー部
即席応援団 感動呼ぶ
地震で被災 石川星稜へエール

  • 横断幕を掲げ応援する日藤応援団

  • 星稜高校のチームカラーと同じ黄色のごみ袋で作ったユニフォームをまとい、同校を応援した日大藤沢高校サッカー部のメンバーら(写真はいずれも提供)

 2日に開催された第102回全国高校サッカー選手権3回戦で、神奈川県代表として出場した日大藤沢高校が、能登半島を襲った大地震の影響で応援団が駆けつけられなくなった石川県・星稜高校の代理応援を買って出た。チームは2回戦で敗退となったが、事情を知った同校の有志が約50人の「即席応援団」を結成。敵、味方の垣根を超えてスタンドからエールを送る姿にSNS上では感動の声が相次いだ。

 星稜高校同窓会関東支部のX(旧ツイッター)によると、能登半島地震の影響で同校の応援団派遣が中止に。「このような状況ではありますが、在関東の方で声援を送っていただける方おりましたら、是非来場いただき、選手たちに声援をお願いします」と呼び掛けたところ、昨年12月31日に敗退した日藤サッカー部の選手が反応した。

 「(星稜の)応援に行かないか」

 選手権で応援団長を務めた渡部瑠太(18)さんが1日夜、部の仲間に打診。副団長の有田海志さん(同)が佐藤輝勝監督に相談し、学校長や日本サッカー協会の了承を取り付けた上で応援団を”再結成”した。

 集まった有志は約50人。茅ヶ崎市在住の佐藤監督の機転で、星稜のチームカラーと同じ黄色の同市有料指定ごみ袋で手製のユニフォームを急造。背中には「共に戦おう」「勝とう」とメッセージを書き込んだ。

 「がんばれ!日本の絆今こそ強く」。スタンドには選手を鼓舞する横断幕が掲げられ、名古屋や仙台育英、岡山学芸館などの他校の応援団も合流。急きょ覚えた応援歌に声を張り上げた。

 星稜は市立船橋に1対4で敗れたが、試合後、星稜の選手からは「力になった」「ありがとう」など感謝の声が寄せられたという。

考えて行動指導生きる

 「応援される選手になれ」「オフザピッチを徹底しろ」。渡部さんらを突き動かしたのは、選手権に至るまでの佐藤監督の指導が背景にある。

 「サッカーだけでなく、人としての振舞いを厳しく指導された。自分たちは応援でも日本一を目指していたので、それを皆で実現しただけ」と渡部さんは言う。

 有田さんは「自分たちだけでは何もできなかった。監督、学校、応援の道具を貸してくれた人や協力してくれた人、全員でやったこと」と振り返った。

 帰省先から会場に足を運んだ佐藤監督は「考えて行動することを生徒自らが自主的に実践してくれた。素晴らしい”一歩目”だった」と称えた。

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