藤沢 社会
公開日:2025.08.29
「自助・共助・公助」が鍵
市に聞く複合災害の備え
先月30日、ロシア・カムチャツカ半島沖を震源とするマグニチュード8・7の地震が発生し、市内では14年ぶりとなる津波警報が発令された。この日は、夏ならではの危険な暑さが続く中での警報発令となり、避難先での熱中症対策など、新たな課題が浮き彫りになった。近年、自然災害の脅威が身近に迫る中、いつ、どこで起こるかわからない事態にどう備えるべきか、市防災安全部に話を聞いた。
――複合型の災害として、想定される事象の組み合わせは。
「地震災害に伴う津波や大規模火災、災害時における感染症の拡大、災害の長期化による災害関連死などを想定しています。想定される被害については、災害の種類や組み合わせによって異なりますが、例えば家屋倒壊や浸水による人的・物的被害、大規模停電や断水などのライフライン被害、避難所における感染症の拡大などが挙げられます」
――現在、市として複合災害に備え、どのような対策や計画を立てていますか。
「基本的には、個別災害ごとの対策を着実に進めることで、複合災害にも対応できるものと考えています」
――単一災害対策と比べて、複合災害対策における最も大きな違いや課題は何ですか。
「先の災害の影響が残っている状態で次の災害が発生することから、被害の拡大、広域化、長期化が懸念され、市民への影響が大きくなることを課題として捉えています」
――防災意識を高めるために、最も重要なのは。
「自助・共助の行動につながる具体的な理解と実践を促すことが重要と考えます。単なる知識にとどめず、防災訓練の実施・参加や地域の自主防災組織、防災士との連携により、普段からの避難行動と助け合いの実現につなげることが重要です。本市としても引き続き、さまざまな機会を捉え、防災意識の普及啓発を行い、市民一人ひとりが自分ごととして捉えていただく機会にしていきたいです」
安全確保を最優先に
――災害時、どのような行動を最優先すべきでしょうか。
「自らの安全の確保を最優先することです。地震発生時は安全な場所で揺れによる転倒や落下物の回避に努めてけがを防ぎ、その後、津波のおそれがある海の近くや津波災害警戒区域内にいる場合は、ただちにその区域から遠ざかること、遠くに移動できない場合は近くの高台などへ垂直避難を図ることです。大雨や土砂災害など風水害に対しては、気象庁が出す防災気象情報や市が出す避難情報に注意して、常に最新の情報を入手・確認し、行動してください」
――高齢者や障害者、乳幼児など、特に支援が必要な人々を、地域全体でどう守っていくべきでしょうか。
「災害時の避難に支援が必要な人々に対して、地域の市民センター、自治会・町内会・自主防災組織と民生委員に避難行動要支援者名簿を配布しています。名簿に基づく個別避難計画を作成して、地域全体の共助の取り組みを進めている地区もあります。個別避難計画の作成を進めることにより、地域のコミュニティーのつながりが広がるきっかけにもなることから、今後も地域を主体とした取り組みを進めていくべきと考えます」
身の回りの人と備える
――日頃から市民ができる備えは。
「住んでいる部屋や建物を整理しておき、けがや閉じ込めなどにも気をつけてください。家族や仲間と災害時の連絡方法や行動パターンを相談しておいてください。近所の人々とあいさつから始めて交流しておくこと、また地域の防災訓練などさまざまな行事に参加することで、災害時の助け合いにつながります」
――最後に、市民へのメッセージを。
「発災時には、気が動転してしまい、どのような行動をとるべきかわからず混乱してしまいます。日頃から発災時に自分がどのような行動をとるべきか考え、いざという時に備えておくことが重要です。災害から命を守るために、ハザードマップで自宅の危険箇所や避難経路を確認するなど自分を守る「自助」、防災訓練や地域の自主防災組織、自治会・町内会活動への参加により地域で助け合う「共助」、行政による救助や支援などの「公助」の力が大切です。この3つの力が命や暮らしを守るために必要不可欠になりますので、いざという時に備え、一緒に行動しましょう」
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