県内初の「景観整備機構」に指定された(社)ひと・まち・鎌倉ネットワークの代表 熊倉 洋介さん 西御門在住 48歳
地域にふさわしい景観を
○…景観法に基づく「景観整備機構」に今月1日、県内で初めて指定された「一般社団法人ひと・まち・鎌倉ネットワーク」の代表。市と連携しながら、地域で景観づくりに取り組み、市民に身近な存在として「景観・まちづくりの促進」や「景観分析の調査」を行う。
○…鎌倉・湘南を愛する建築家たち約20人からなり、発足は2003年。当初は主に建築家同士の勉強会を行う任意団体だったが、市のイベント「わがまちづくりシンポジウム」に参加・協力するなど「専門家としてできること」を進める。過去には、マンション建設に際し、業者と住民との間に入り、双方の意向を反映した建物の提案を行うといった活動実績も。10年に一般社団法人化した。
○…「鎌倉らしさのある景観があります。それを可能な限り残していきたいですね」。そのひとつに、「路地」がある。路地の両側に板塀があり、樹木がある。そしてその先に家屋の屋根が見えるといった路地の景観は、鎌倉ならではなのだそう。「東京の下町あたりだと、もっと住宅同士が近いです。どちらもそれぞれに風情がありますよね」。自身も都内で暮らしていたが、お互いの両親との3世帯で暮らそうと10数年前に鎌倉へ。自宅は一級建築士である自らが設計した。
○…今年度、常盤に開園した「ピヨピヨ保育園」の園舎設計も手がけた。当初材木座にあった同園は、認可保育園を目指し、移転先を4度検討。いずれも実現に至らなかっただけに「嬉しさも大きい。設計図も検討の数だけ書きましたから」と笑った。
○…東日本大震災を受け、同ネットワークでは市内でホストファミリーを募集。また鎌倉へのホームステイ希望者を募りに福島・宮城をたずねてまわった。これらの活動をより生かすために、現在は「個々の動きではなく、各団体との連携も必要」と被災者支援を行う団体や行政との協議も進めている。