材木座の宿泊施設ゲストハウス「亀時間」オーナー 櫻井 雅之さん 逗子市在住 38歳
宿で不思議な出会いを
○…市内材木座で安価な簡易宿泊施設のゲストハウス「亀時間」を4月末にオープンした。営業開始から3カ月経ち「少しずつお客さんも増えてきている」と話す。「ゆったりとした時間を過ごして欲しい」という思いから「亀時間」と名づけた。
○…「ゲストハウスという場所で外国人と日本人の出会いと交流の場を提供したい」と語り、団らん室での異国間交流が魅力の1つだ。元々海外に出たい思いが強く、大学卒業後は就職をせずにネパールでボランティアとして教師を務めた。半年後に帰国し、しばらくしてレコード会社に就職。資金を貯めて再び海外に行こうとしていたが、仕事に追われる日々を過ごす。「仕事への責任感と世界に出たいという思いの間で葛藤していた」と当時を振り返る。会社の契約が切れた時、思い切って世界一周へ。当初の予定は上海から大陸に入り、アフリカから南米を回るはずだったが、途中資金の盗難に遭うなどしてアフリカまでで断念。3年間の旅となった。ジンバブエのゲストハウスにいた時にアフリカの民族楽器「ムビラ」と出会った。金属を指で弾く楽器で「儀式での演奏を見たらその迫力に衝撃を受けた」と話し、本格的にムビラを習ってから帰国。「亀時間」でもムビラの教室やライブ活動を行っている。
○…海外生活からしばらく経ち、人々の交流ができる場所に憧れを抱き、観光地である鎌倉でゲストハウスを開く決心をした。地域の仲間の協力を得て物件探しから始めた。縁があって材木座の築85年の古民家を紹介してもらい、物件が決まった。「不発弾が2発も出てきたりして、大変だった。震災の影響で改築も思うように進まなかった」と当時の苦労を語る。
○…横浜市金沢区出身。5年前、逗子に移り住んだ。昨年末に第1子が生まれ「まだハイハイもできないのに立とうとする、マイペースな性格」と柔らかい笑みを見せた。