6月16日にフォーラム「鎌倉の文化遺産を大災害からいかに守るか」を主催する鎌倉市民同窓会代表の 中島 章夫さん 梶原在住 76歳
世界遺産の先を見据える
○…代表を務める「鎌倉市民同窓会」は、環境・福祉・文化をテーマに1994年に発足した。いわせ下関青少年広場(市内岩瀬)に、昔ながらの「上総(かずさ)堀り」による深さ約180m自噴井戸を掘ったり、かつて夏期に運行していた「納涼電車」を江ノ電に働きかけ復活させたりと、「市民が元気になるような活動」を行ってきた。
○…世界遺産登録を控え、フォーラムは「3部作で開催していきたい」とし、今回はその1回目。岩手の平泉で、登録反対派が後にまちづくりに協力的になったことを例に挙げ、「賛否の意見があると思うが、世界遺産登録はステップに過ぎない。その後どう町づくりをしていくかが重要」と話す。「若い人が町を訪れても、歴史や文化価値を分かっていない。情報を得る場所や方法が無い」と嘆き、本格的な博物館の設立や御成小学校講堂の有形文化財化などの構想を語った。
○…大阪府枚方市出身。大学卒業後、文部省や日本公文教育研究会などの教育畑を歩んだ。57歳の時に日本新党公認で衆院選に当選、1期務めた。2003年には民主党から参院に繰り上げ当選し、1年あまり参院議員として政治に携わった。
○…「中等教育改革」をモットーとし、「日本の初等教育は充実しているが、中学、高校とそれが生かされていない」と指摘。「人それぞれ得手不得手がある。個性を見つけ多様なプログラムを用意して、勉強の面白さを伝えなければ」と語気を強める。そのためには「都道府県ごとにカリキュラムを定め、中等教育を地方分権化する」と策を論じた。
○…子どもの頃は魚を捕まえたり、野球をしたり、「自然の中で育った」と振り返る。鎌倉の自然に囲まれて育った4人の息子はそれぞれ独立し、現在はもうすぐ結婚50周年を迎える夫人と2人で暮らしている。「自然に恵まれ、谷戸には寺社が現存している。この地に住んだ縁を大事にしたい」としみじみと語った。