ロンドン五輪の男子体操団体で活躍し、初の市民栄誉賞に輝いた 田中 和仁さん 市内在住 27歳
4年後の「金」を見据えて
○…今年の8月、日本を沸かせたロンドン五輪の男子体操団体で、銀メダルを獲得。その功績を称えられ市民栄誉賞の第1号に選ばれた。「まさか自分が初めての受賞者だったなんてびっくり。本当にうれしい」とにっこり。大会などで国内や海外を飛び回っており、授賞式には夫人が代理で出席。「賞状を妻に預けてたから、見るのが楽しみだった」と少年のような笑みを見せた。
○…和歌山県出身。父親が体操の指導者だった影響で6歳のときに体操を始めた。その後、妹の理恵さんと弟の佑典さんも習うようになり、体操一家として知られるようになる。練習は毎日のように続くため、小学校高学年の時には「友達と遊びたくて辞めたいと思ったこともあった」という。「辛いこともあったけど、妹と弟と試合で会える、と思えたら続けることができた」と語った。大学3年の全日本選手権で当時高校2年だった弟に負けた。「まさか弟に負けるなんて思わなかった。とても悔しかった」と話し、その思いをバネに練習に燃え、翌年には大学の国際大会で団体金メダルを獲得した。
○…「帰国するまで実感が沸かなかった」と銀メダルについて振り返る。団体決勝の舞台では4位と順位が出た後、加点が認められ2位に浮上した。「直後は素直に喜べなかった。でも、色々な人が喜んでくれてメダルがあって良かったと思えた」と語る。「皆で戦って勝ち取った誇り」と目を輝かせた。今後については「一年一年を大切に、4年後の五輪は団体で金を目指したい」と前を見据えた。
○…鎌倉に越してきたのは4年前に徳洲会体操クラブに所属してから。「歴史のある街だから、来る前から楽しみにしていた」と話すも、練習や大会に忙しく「まだ長谷寺と大仏殿にしか行けてない」と肩を落とす。昨年結婚した夫人の愛妻弁当が毎日楽しみだという。「グラタンとかが好きかな」とはにかんだ。