体操世界選手権種目別あん馬で金メダルを獲得した 亀山 耕平さん 市内在住 24歳
最高の舞台で一番の輝きを
○…躍進著しい日本体操界に、新たなヒーローが誕生した。先月、ベルギー・アントワープで行われた体操世界選手権に出場し、種目別のあん馬で金メダルを獲得した。初のナショナルチーム入りを果たし、日の丸を背負った今大会。大きな重圧のなかでの演技となったが「すごく集中して練習通りの力を出せた」という決勝では会心の演技を見せ、予選8位から大逆転で表彰台の真ん中に立った。
○…「両親や祖父母がすごく喜んでくれた。これまで応援してくれた人に恩返しができたことがうれしい」とはにかんだような笑顔を浮かべる。大会後は取材が殺到、鎌倉市から市民栄誉賞を贈られるなど一躍「時の人」になったが、本人はそうした周囲の喧騒を冷静に見つめているようだ。「金メダルはもう過去のこと。少しでも油断したらあっと言う間に追い抜かれてしまう」と表情を引き締める。
○…宮城県出身。両親のすすめもあり、4歳で近所の体操クラブに通うようになると「どっぷりハマってしまった」と笑う。「サッカーや野球を見るよりも、体操を見ている方が楽しかった」と毎朝起きるとアトランタ五輪のビデオを見ていたという。仙台大学を卒業後、鎌倉を拠点とする徳洲会体操クラブへ。入団当初は「周囲のレベルの高さに圧倒された」。ライバルに勝つために考え抜き、磨いてきたのがあん馬だ。「自分の最大の武器」で、世界の頂点へとたどり着いた。
○…先日帰郷した際、母校の小学校を訪れた。そこで目にした卒業アルバムには「オリンピックに出場したい」と当時の想いが記されていた。「実はすっかり忘れていたのですが」と笑うが、幼い頃胸に抱いた夢を今はっきりと視界に捉えている。「目標はリオデジャネイロ五輪に出場し団体とあん馬で2つの金メダル。そのためにできることは何でもするつもりです」。3年後、アスリートにとって最高の舞台で一番の輝きを放ってくれるはずだ。