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鎌倉と源氏物語 〈第3回〉 同い年 北条実時と第4代執権経時

掲載号:2016年2月19日号

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若宮大路幕府旧蹟碑(雪ノ下)
若宮大路幕府旧蹟碑(雪ノ下)

 「武士の都」として知られる鎌倉ですが、『源氏物語』と深い関係があることはあまり知られていません。文化薫る歴史を辿ります。

 「尾州家河内本源氏物語」の奥書に名を残し、金沢文庫を創設した北条実時は第4代執権北条経時と同い年です。実時は第3代執権・泰時の甥で、経時は孫。泰時は考えるより先に行動するタイプの経時を、将来の執権候補として不安に思っていました。

 そこで学問好きの実時を補佐につけることにします。2人が18歳の時に酒宴を開き、御家人たちの前で「実時とよく相談し、互いに水魚の交わりをするように」と経時に言い含めました。

 泰時がこうまでして孫の経時と時頼の将来を案じたのは2人の父、時氏が早世したからです。

 次期執権候補だった時氏は、鎌倉幕府の出先機関として頂点に立ち、京都の警護や朝廷の監視を行う六波羅探題北方の任を6年勤めました。次期執権への期待もありましたが、鎌倉に帰る途中で発病、到着早々亡くなったのでした。

 これを受けて兄弟の母は出家し、松下禅尼と呼ばれるようになります。兄弟はこの母に育てられながら、父親代わりの祖父・泰時から執権としての素養を教え込まれたのでした。

 父・時氏が六波羅探題北方の任を終えて鎌倉に帰るとき、経時は7歳で時頼は4歳。つまり、兄弟は京都生まれの京都育ちなのです。『源氏物語』の世界をそのまま生きるお公家さんたちに囲まれて育ったのでした。

 次回は松下禅尼を軸に、歴史をひも解きます。

織田百合子
 

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