鎌倉市長選挙は10月22日、投開票が行われ、無所属で現職の松尾崇氏(44)が3選を決めた。
いずれも無所属の新人で元NHK記者の飯田能生氏(55)、弁護士の石田智嗣氏(55)、フリージャーナリストの岩田薫氏(64)は及ばなかった。
「本庁舎移転進めたい」
「一日たりとも無駄にすることがないよう粉骨砕身、全身全霊で取り組みたい」。当選から一夜明けた10月23日、市役所で記者会見した松尾氏は3期目への意気込みを語った。
選挙期間中は他の候補が、市役所本庁舎の移転、新ごみ焼却施設の建設などをめぐって中止や見直しを訴えたこともあり「過去2回に比べて決してよい手ごたえはなかった」という。
結果的には次点の飯田氏に2万5千票あまりの差をつける圧勝となったが「白紙委任とは考えていない。それぞれの課題で説明を尽くしていく」とした。
本庁舎については「災害に強いまちづくりのためにも必要」と深沢への移転を進める考えを示し、山崎浄化センター内へのごみ焼却施設建設は「地域の皆さんとの話し合いを続ける」とする一方で「広域や民間への委託など自区外処理の可能性についても検討を深める」と話した。
3新人訴え及ばず
飯田氏は「政策決定の過程をよりオープンにし、市民参加の市政に」と訴え、2万票あまりを獲得した。
選挙戦を振り返り「5月の立候補表明時の支援者は10数人。市政に対する不安の声を聞き活動の輪を広げてきたが、知名度不足を覆せなかった」とした。
松尾氏に対しては「行政改革の名のもとに福祉・教育サービスの低下が進んでいる。しっかり市民の声に耳を傾け、暮らしが向上する方向に進んでほしい」と注文をつけた。
前回に続く立候補となった岩田氏は、本庁舎の移転中止や山崎への焼却施設建設の見直しなど「反松尾」色を明確に打ち出した。
「政策への反応は良かった」とするが「対立候補が多く論点がぼやけた」ことを敗因にあげた。「現市政の課題を多くの市民に示すことができた。議会での論戦を見守る」とした。
石田氏は受動喫煙の防止やいじめ対策、ひとり親家庭、高齢者の支援拡充などを主な政策とし、本庁舎に対しても「現在地での建て替え」を明確にした。
「立候補表明から2カ月の活動で8千票以上をいただき悔いはない」と振り返る一方「決まらない、進まない市政が続くのか、今後も注視していく」とした。
鎌倉市初となる衆院選との同日開催だったこともあり、投票率は過去最低だった前回を20ポイント以上上回る60・12%だった。
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