鎌倉版 掲載号:2018年9月14日号
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今号で最終回を迎えた本紙連載コラム『鎌倉と源氏物語』の筆者 織田 百合子さん 東京都在住

『源氏物語』と鎌倉つなぐ

 ○…2015年12月から約3年にわたって本紙で連載してきたコラム『鎌倉と源氏物語』が30回目となる今週、最終回を迎えた。現在に伝わる2大写本の一つ『河内本源氏物語』と、鎌倉にまつわる知られざる歴史を掘り起こしてきたこのシリーズ。「伝えたいことは十分書けたという満足感がある。知人をはじめ観光ガイドの人たちも読んでくれていて『いつも勉強になるよ』と言ってもらえる」と笑顔を見せる。

 ○…品川区出身。高校時代から古典文学が好きで、源氏物語の美しい文体とそこに登場する女性たちの姿に心惹かれていた。カメラマンの父に憧れて大学では写真を学び、卒業後は羽田空港写真部に所属。空港を訪れる著名人らを撮影し、英字新聞などに掲載した。結婚し、数年後に専業主婦に。家事に子育てに慌ただしい日々を送っていたが、1990年、県立金沢文庫のリニューアルを記念した企画展に足を運んだことが、運命を変えた。

 ○…この時展示されていたのが、尾張家が所蔵していた『河内本源氏物語』だった。鎌倉時代の1258年に作られ、北条実時が創設した金沢文庫に収められていた史実を知り「鎌倉は武士の都というイメージが覆った」。以来、図書館に通っては関連書籍を読み漁った。難解な専門書も「知らなかったことを知る喜びの方が大きくて、苦ではなかった」と振り返る。

 ○…研究成果を一冊にまとめ『源氏物語と鎌倉』として11年に出版。その後も研究や講演活動を続けている。現在は比企谷を拠点に万葉集の研究に取り組んだ学僧・仙覚を主人公とした長編小説を執筆中だ。「新たな資料を読みながら書き進めているので、完成まで10年はかかるかも。でも必ず出版したい」。知への探求心、伝えることに傾ける情熱に終わりはない。

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