鎌倉版 掲載号:2019年6月14日号 エリアトップへ

「納涼うちわ2019」の絵柄を描いた画家 片桐 聖子さん 七里ガ浜在住 51歳

掲載号:2019年6月14日号

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独創的な絵肌で生む風情

 ○…1977年の発売以来、夏の風物詩となっている「納涼うちわ」の絵を書き下ろした。モチーフの「ヘチマの花」は、44作目にして初の絵柄。「鎌倉市民としていつか描いてみたいと思っていた。何を描こうか母に相談したら『私世代の夏といえばヘチマよ』って。うちわを手に取る人に懐かしんでもらえれば」

 ○…茅ヶ崎市生まれ、平塚市育ち。幼い頃から絵が好きで、昆虫図鑑をひたすら写し描きしていたという。バスケットボール部に所属する活発な少女時代を送ったが高校1年の時、医師から甲状腺機能亢進症と診断された。「動悸や汗が止まらなくてつらかった。運動もできなくなって」。そんな時、母から勧められたのが絵を描くことだった。「自分の思いを表現できる喜びを知ることができた。絵なら何時間でも描いていられた」

 ○…東京藝術大学を現役合格し、画家・大藪雅孝氏に師事。32歳から6年間、東京藝大の非常勤講師を務めた後、文化庁が各ジャンルの芸術家を支援する新進芸術家海外研修生に選出され、1年間イタリア・ミラノに暮らした。「現地の乾燥した土地に合わせ、卵の黄身で作った絵の具『エッグテンペラ』で描いたり、驚かされることばかりだった」。帰国後、日本仕様にアレンジしたオリジナルのテンペラを作り、木板に塗り重ねることで、ザラザラとした立体的な絵肌が特徴の作品を生み出している。「独特な世界を感じてもらえれば」

 ○…25歳で結婚。2人の子宝にも恵まれた。七里ヶ浜海岸を散歩し、砂浜で読書するのが息抜き。3年前から一緒に暮らしている愛猫と戯れるのも癒しのひと時で、絵の対象にもなっている。「画家と主婦の両立は大変だけれど、絵を描くのは何年経っても飽きない。今後も描き続けていきたい」

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