来年の東京五輪・パラリンピックを前に、市内でホテル建設が続いている。来春までに約300室分がオープン予定で、宿泊施設が少なく観光客の滞留時間が短いことが課題となっている鎌倉の観光振興に期待の声が高まっている。
若宮大路沿い、鎌倉警察署跡地の小町1丁目に来年3月、オープンするのが「ホテルメトロポリタン鎌倉」だ。
地下1階地上5階建、延床面積約8800平方メートル、客室数138室で、レストランなども併設する。
運営するのはJR東日本系列の日本ホテル(株)。同社担当者は「東京五輪のセーリング競技会場に江の島が選ばれるなど話題が尽きないため、このタイミングでの開業を決定した。鎌倉駅から徒歩2分という立地を生かし、鎌倉をゆったり観光したい夫婦やサービスに価値を見出す”おとな世代”をターゲットにしたい」とする。
また同じく鎌倉駅周辺では、西口から徒歩2分の御成町に「鎌倉HOTEL」が来年1月に開業を予定する。
施設は地上5階建、延床面積約650平方メートル。客室数17室と比較的小規模で、運営する湘南レーベル(株)の担当者は「和を基調としており、1室は室内露天風呂を設置するなど、高級感を楽しんでもらえれば」と話す。
大船エリアでは、(株)相鉄ホテルマネジメントが今秋、大船駅徒歩2分の大船1丁目に「(仮称)相鉄フレッサイン鎌倉大船II」を開業する。
地上6階建、延床面積約3459平方メートル、152室の予定で、大船での相鉄グループの宿泊特化型ホテルは2店舗目。同社担当者は「既存店(100室)は開業から高稼働で推移し、予約に応えられないこともあった。エリア内のシェア拡大を目指す」とする。
利用者はビジネス客中心の見込みだが「大船は鎌倉・江の島の玄関口として海外のお客様からも人気が高い」とする。
夜のにぎわいなど期待
こうした状況に、地元経済界からも期待の声があがる。
2018年度の市内延入込観光客数1987万人に対し、宿泊施設数は104カ所、客室数は968室。一方、2126万人とほぼ同規模の箱根町では、406カ所と約4倍の施設がある。
鎌倉商工会議所では「鎌倉は首都圏からのアクセスが良好で、寺社仏閣や海、山など観光スポット間の距離も近いため、1日で多くの見どころを回れてしまう。従来は夕方には観光客が姿を消してしまっていたが、宿泊客が増えることで、夜のまちがにぎわい、客単価アップにつながることが想定される。また、五輪を契機に世界に鎌倉の魅力を発信するチャンスでもある」と話している。
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