鎌倉のとっておき 〈第111回〉 早春に芽吹く紫陽花
鎌倉の6月と言えば、紫陽花の花です。北鎌倉駅近くの明月院、東慶寺など寺社の境内はもとより、鎌倉のここ彼処で育てられている紫陽花が6月になると一斉に花を咲かせます。
因みに、鎌倉市の統計資料(鎌倉の延入込観光客数)によると、2019年6月には、延べ224万人強が鎌倉を訪れ、そのうち延べ86万人強が寺社を訪れました。今年は自粛が叫ばれており、明月院は6月の土日に閉門とのことです。
その紫陽花は、冬の間は葉を落とし休眠しています。そして、暖かくなるにつれ紫陽花が眠りから覚め、若葉が芽吹きはじめます。薄茶色の枝先にワインカラーの芽が顔を出し、中からエメラルド色の小さな紫陽花の若葉が現れます。
春の彼岸を過ぎるころには、若葉が力強く拡がってゆき、次第に紫陽花の枝全体が緑の葉に覆われてゆきます。
ゴールデン・ウィークのころには緑の葉の奥に紫陽花のつぼみが現れます。今年は、例年よりもはやく花が開いたところもあるようです。5月末、明月院はすでに見頃を迎えており、東慶寺では、正面の石段脇の紫陽花はまだつぼみでしたが、境内の紫陽花は咲いていました。
早春に芽吹いた紫陽花の若葉が刻一刻と広がってゆく一瞬を、カメラで切り取れば生命の息吹を感じることができるでしょう。写真は、2018年3月10日に円覚寺の境内で撮った紫陽花の芽吹きです。 三品利郎
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