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鎌倉 トップニュース教育

公開日:2022.07.15

「車内の中ほどへ進んでください」
高校生が駅アナウンス

  • 放送マイクでアナウンスする高校生=13日・江ノ電藤沢駅

 江ノ電の藤沢駅ホームで7月13日、鎌倉高校と七里ガ浜高校の生徒が構内放送を実施し、利用客に乗車マナーの向上を呼びかけた。江ノ島電鉄(株)の産学協力の一環で、全国的にも珍しい取り組みとして今後も続けていく方針だ。

 「ただいまの時間、電車内は大変混雑します。ドア付近には立ち止まらず、車内の中ほどへ進んでください」 

 鎌倉高、七里ガ浜高生の通学利用がピークを迎える午前8時前後、初々しいアナウンスが構内に響く。学校の友人も通学していく中、鎌倉高放送部の中澤颯一さん(2年)と加藤風花さん(1年)、七里ガ浜高生徒会の西舘小鞠さん(3年)と安江皓祐さん(3年)が放送マイクを握った。かばんは前に抱えるか網棚の利用、感染症防止対策として車内での会話を控えめにしてもらえるよう利用客へ呼びかけた。

 両校生徒が多く利用する江ノ島電鉄線は、朝夕のラッシュ時間帯の混雑が常態化。そこで同社は、普段利用者である高校生が駅構内の改札付近で啓発アナウンスを行うことで、快適な車内環境を整えようと2校へ打診し、企画が実現した。同社によると、今回の取り組みは全国的にも珍しいという。

 江ノ電を毎日利用する放送部の中澤さんは、「ドア付近には立ち止まらずや、車内の中ほどへという大事な部分は強めに発した」と放送に工夫を加えた。「すごく緊張した」と任務後に安堵の表情を見せた西舘さんは、「みんなで少しでもいい環境にしていければ」と語った。

 同社の鈴木孝浩鉄道部長(57)は、「仲間の放送だとみんな聞いてくれるんですね」と笑みをこぼし、「取り組みを続けていきたい」とマナー向上へ期待を寄せる。同社では今後、生徒によるアナウンスの録音も構内放送で使用していく。

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