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公開日:2022.10.28

遺跡発掘「ロマンだね」
シルバー調査班、発足20年

  • 遺跡発掘調査を担うシルバー人材センターの文化財班、作業の様子(下)

 鎌倉のシニア世代が遺跡発掘調査に尽力している。企業や団体からの幅広い仕事の依頼に対し、60歳以上の人材を派遣する公益社団法人鎌倉市シルバー人材センター(登録者506人・8月末時点)。その中で現在26人が在籍する「文化財班」は今年で発足20年を迎え、メンバーは市内の現場で土器や漆器といった埋蔵文化財を日々掘り起こしている。

 「ロマンがあるよね」。鎌倉市シルバー人材センターの文化財班で18年間働く宝珠山秀雄さん(78)は、 仕事の魅力をこう語る。

 宝珠山さんは民間企業を60歳で退職し、友人に誘われて登録したシルバー人材センター。植木班や除草班もある中で、遺跡発掘の文化財班を選んだ。週に2〜3回、スコップ片手に作業にあたり、「体力的にきつい時もあるけれど、出土品によっては興奮する」と宝珠山さん。これまでには、12〜14世紀の貨幣5万枚や、北条氏の家紋入りのお椀などに出合う。「この辺で北条さんが酒盛りしてたのかな」と現場で中世鎌倉に思いを馳せることもあるという。

 県内には32のシルバー人材センターがあるが、遺跡発掘調査の業務はどこにでもあるわけではなく、「鎌倉の特殊性」と文化財班を統括する中村隆義さん(72)は言う。

 市内の開発に伴い、遺跡発掘調査も拡大。同センターでは2002年に文化財班を組織し、市文化財課や民間調査会社からの仕事を引き受けている。昨年度は19件の調査現場を任され、1日あたりの現場人数を足していくと年間延べ1651人が従事し給料を得た。

 現在も3カ所で調査中で、各現場に文化財班のメンバーが作業員として入っている。雪ノ下の現場を担当する市内在住の岡村武さん(68)は、「鎌倉らしい仕事で楽しい。続けていきたい」と笑顔で汗を拭った。

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