鎌倉警察署長に就任した 森 文男さん 市内在住 59歳
笑って過ごせるように
○…深沢小・中学校の出身。来春に定年退職を控える今年、故郷を管轄する鎌倉警察署長に3月19日付で就任した。鎌倉で最後を迎えたいと心密かに願っていたことが現実となり、「最高だな」と一言。鎌倉には知り合いが多く、気恥ずかしさも感じるが、愛する故郷を守れる幸運をかみしめながら全力を尽くす。
○…警察官への道を切り開いたのは、深沢小で婦人交通整理員を務めていた母親の存在。大学を中退し、就職先に迷っていた矢先に勧めてくれた。しかし、待ち受けていたのは、怒鳴りや叱責が当たり前の厳しい世界。「まあ大変だった」と笑いながらも、「怒られるけれど、良く面倒を見てくれて温かみがあった」と振り返る。時代は変われど、愛情を持って接することに変わりはない。「苦労はあっても苦痛のない職場」を目標に、メリハリとフォローを注いでいく。
○…幼い頃には学校一のお笑い担当で、先生や同級生のものまねで笑いを届けた。警察官になってからも隙があれば披露したが、徐々に頻度が下がり、現在は鳴りを潜める。それでも、「本質は変わっていない」と、笑いが絶えない環境づくりを目指す。娘と息子はそれぞれ警察事務と警察官で、「同僚として教えることばかりで、時にはうるさいと思われているかも。でも、それくらいがちょうど良い」。子どもたちの成長に喜びと頼もしさも感じている。
○…少年事件の捜査や警察幹部学校の拳銃教官、機動隊などを経験し、今回で22カ所目の職場。2010年のAPEC横浜では、オバマ元大統領が高徳院を訪問した際の警護を務めた。警察官として最後の1年、鎌倉に関わるすべての人たちが安心と安全を実感し、笑顔で過ごせるような街を目指していく。