「第59回神奈川県美術展」の入賞者が発表され、神奈川県民ホールギャラリー(横浜市中区)で入賞作品展が現在開催されている。全国各地から寄せられた1272作品の中から、書の部門で久村拓司さん(64歳・大町在住)が準大賞、平面立体の部門でアオトヒデキさん(市内在住)が県立近代美術館賞を受賞した。
久村さんの受賞作は、青いソフト帽と降り積もる白い雪のコントラスト、男の別離の感傷を表した北原白秋の「想ひ出」の中の詩を書き上げたもの。近現代の詩歌や自作の詩を作品にしているという久村さん。「書作品は読めないと敬遠されがちだが、親しみやすい書で受賞し、大変うれしい」と語る。
アオトさんの受賞作は、文字だけで描いた絵画。文字の形を生物にしたり、生物の輪郭を文字に寄せたりしながらアドリブで配置していくうちに、「軽さ」で動きの要素を取り入れようと考えたアオトさん。文字が薄く見えるようにバラバラに細分化したところ、思いがけない形が現れ、動きを表現できたという。
作品展は、15日(日)まで平面立体部門、18日(水)から29日(日)まで工芸・書・写真部門を展示。巡回展として、11月1日から10日まで鎌倉芸術館でも一部展示。入場無料。
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