国内最大級の難民シェルター「アルペなんみんセンター」の事務局長を務める 有川 憲治さん 十二所在住 62歳
出会えば、変わる
○…開所5周年を迎えた十二所のアルペなんみんセンター。迫害を受けるなど、日本へ逃れてきた難民のための日本最大級のシェルターで、地域との交流や周知活動も行う。6月15日〜29日には「世界難民の日」に合わせ、「なんみんウィークin鎌倉」を開催。市民への理解啓発につなげたい考えだ。
○…自身を含めたった3人で始まったセンターは、今ではスタッフ10人、ボランティア120人超にまで拡大。受け入れてきた難民は、5年間で31カ国100人に迫るが、難民認定が下りたのは18人のみ。それでも就労許可を得て働いたり、仮放免でも受け入れてくれる施設を探したりしながら、センターから自立していく。「母国には帰れない。命を狙われているから」と最高裁まで争う人もいる。「先の見えない不安を皆抱えている。私たちもまだまだトライアルの状態」
○…奄美大島出身。法学部で外国人の人権を学んだ。在学中、縁あってタイのカレン族の村に滞在した際、社会への熱い思いを語る現地の学生との出会いが人生を変えた。自分も行動しようと決意し、ボランティアを経て、都内の難民支援施設に四半世紀勤務した。当時、難民が長期間住める施設はなく「誰か作ってくれたら」と思っていたところ、修道院が閉鎖する情報が耳に入った。「難民支援施設にしてほしいと提案したら、『やってみては』と言われて。お金も人手もないけど、1週間で企画書を作って持って行った」
○…センターでは、地域の人に開いたイベントや畑体験も行っており、居住者にも地域の人にも好評だ。「中には緊張した様子の方もいますが、一緒に食事したりするとグッと距離が縮まるのがよく分かる。『出会えば、変わる』ですね」
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