茅ケ崎北陵高校建て替え問題 市外近隣地も移転候補に 「遺跡の上」以外を検討へ
古代の遺跡が見つかった校庭に建て替えを計画していた県立茅ケ崎北陵高校(市内下寺尾)の新校舎について、県教育委員会はこのほど市外の近隣地を含めた敷地の移転を検討する方針を打ち出した。
北陵高校は校舎の老朽化に伴い、校庭を活用した建て替えを計画。2002年に調査を進めたところ、7世紀後半から8世紀前半のものとされる高座郡の役所「高座郡衙(たかくらぐんが)」跡が発掘され、計画を一度断念。同校生徒は2006年から200m離れた民有地に建てたプレハブの臨時校舎を使用している。体育館と校庭は昨年11月から解体が進められている旧校舎を含む敷地内にあり、授業の度に往復している状況が続いている。
県と市は遺跡が確認されて以降、別の候補地を市内で検討してきたが3万6千平方メートルの広大な敷地などがネックとなり難航。これら環境を解決しようと県は「遺跡があるのは承知しているが窮余の策」(県教育委員会)として今年度、より軽量な木造での建て替えと遺跡群の一部公開などの計画を発表した。これに対し市議会は校舎移転の検討や遺跡の保存整備に関する意見書を可決、県考古学会なども県知事などへ要望書を提出する事態に発展していた。
候補地の幅広げ協議継続14年度中の結論目指す
継続していた県と市、両者の話し合いが進展したのは昨年末。市側が市内移転にこだわらず隣接する市外も検討する考えを打ち出したことで、双方の折り合いが付いた。これにより県は今年度計上していた木造建設の設計予算など約1200万円全額を減額補正し、2014年度の関係予算計上も見送ることを決めた。
市教育委員会は「あらゆる可能性を検討していく協議が継続でき、今回の決定を評価している」としている。県教委も「優れた人材を輩出している高校で、茅ケ崎北陵の名称も固有名詞となっているので、近隣地で探していくことを検討したい。加えて現在の仮設校舎と旧校舎敷地を往復する生徒の不便もなるべく早期に解消しなければいけない」と話している。候補地選定については2014年度中の結論を目指すという。
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