100回目の夏が終わった。8月の全国高等学校野球選手権記念大会(阪神甲子園球場)に、横浜高校のメンバーとして出場した河原木皇太外野手(3年)=萩園在住。全国制覇は叶わずベスト16で敗れてしまったものの、出場3試合で1本塁打を含む4安打5打点の活躍を見せた。大会を終え1カ月、河原木君は次の戦いに向けて始動した。
9月14日の早朝6時前。小学生のときから足跡を重ねる道で、母校・萩園中学校前から寒川高校へと続く通りを河原木君は黙々と走っていた。「負けてしまったことは悔しい。でも、ここまで来られて『ありがとう』という気持ちも強い。負けて3日間ぐらいは気持ちの整理がつかなかったが、新たな目標を決める時間にもなった」
母の予言的中
全国の高校野球ファンから熱視線を浴びた今年の夏。「調子が良い時に出るセンター前ヒットで『これはいける』と思った」と、試合前は緊張して筋肉が硬直していたという1回戦の愛知産大三河戦を振り返る。それもそのはず。自身甲子園初出場、初スタメン。そんな息子に対し、大会直前には母・規賀子(みかこ)さん(44)も勇気を与えるメッセージを送信していた。「あんたは初物に強いんだから自信を持って」
迎えた第4打席、アーチを描いた打球はそのままレフトスタンドに吸い込まれた。「(外野手の頭を)越えるとは思ったが、まさか入るとは思わなかったので全力で走った」。二塁ベース到達時に審判の手が回っていることに気が付き、右の拳を高く突き上げた。「これまでのことが走馬灯のように蘇り、三塁の手前で涙が出そうになった」という一打は、勝負を決定づける一撃となった。
大会中は、チームメイトと打撃フォームをチェックし合い、チームのために気付いたことははっきりと伝えた。「初戦が終わってからチームで毎日動画を見て研究した」と、あらゆる手を尽くして挑んだ2回戦・花咲徳栄(はなさきとくはる)戦でも、河原木君は2安打3打点で勝利に貢献した。そして迎えた3回戦。大会屈指の好投手・吉田輝星君を擁する金足農業との対戦。背番号7は、初回の内野ゴロで三塁走者を生還させて先制点をあげた。しかし4―2で迎えた8回裏、相手に逆転ホームランを浴びて横浜の夏が終わった。
大学で日本一に
甲子園で存分に力を発揮した河原木君の姿は、大学関係者の目に留まった。進路を決めておらず、8月中旬から下旬にかけて開かれる各大学のセレクションには参加しなかったが、9月に入って桜美林大学へのスポーツ推薦での内定が出た。「プロを目指したい。でもまずは大学で日本一」という夢を叶えるため、すでに視線はネクストステージへと向いている。
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