受験シーズン真っ只中。動画サイトにユニークな「暗記ソング」を投稿し、受験生を応援しているのが、市内幸町に塾を構える「みのりん准教授」こと中村稔さん(41)と、「リチャードK」こと木村啓介さん(51)だ。動画のコメント欄には、全国の受験生から感謝の声が届いている。
暗記ソングは、勉強内容を引き出すキーワードを歌詞にすることで、芋づる式に知識を引き出す受験テクニック。社会や理科など、有志が作成した動画がインターネット上に公開されている。
中村さんと木村さんのYouTubeチャンネル「みのりん 教授への道チャンネル」は、音楽で楽しく暗記することを目的に2016年3月に開設された。星野源『恋』で覚える「中学理科元素記号 化学式 覚え歌 暗記」や、DA PUMP『U.S.A.』に合わせた「歴代アメリカ大統領覚え歌USA踊ってみた」といった動画を今現在、92動画を公開、1577人がチャンネル登録している。
ヒット作は、17年11月に投稿され18万回再生を突破した「歴代内閣総理大臣98 覚え歌 夏祭り 高校日本史」。ジッタリン・ジンやホワイトベリーで知られる『夏祭り』に合わせ、初代内閣総理大臣の伊藤博文から98代の安倍晋三までを、1分40秒で歌い上げている。
「いやな胸毛の慶喜」授業でも語呂合わせ
中村さんは市内萩園出身。今宿小、萩園中、鎌倉学園に進学した。引っ込み思案だったというが、青山学院大学在学時に好意を抱いていた女子学生に振り向いてもらうため、演劇に熱を上げた。「結局付き合えませんでしたが、演じた経験が今の動画に生きている」と笑う。
「生徒が自分の想像を超えて成長する瞬間を見るのが楽しい」と大学時代のアルバイト先だった塾に就職、講師人生を歩み出した。各塾を転々とし木村さんと出会い、17年3月に「学び舎 共楽環」を立ち上げた。
授業でも社会や理科で覚え歌や語呂合わせを考案する。例えば「いやな胸毛の慶喜」は、1867年に徳川慶喜が行った大政奉還の語呂合わせ。生徒の目線に寄り添い、印象に残りやすい言葉を選んで語呂を作り上げる。
楽曲の選定と作詞、ボーカルを担当する中村さんを撮影し、動画にするのが「リチャードK」こと木村さん。小2から中3までに電子オルガンで鍛えた耳で、楽曲をコピーしてパソコンにメロディーを打ち込む。木村さんは「総理大臣や天皇など画像収集が大変でも、全国の生徒のためだと思うと頑張れる」。
「完全に予想外」全国から感謝の声
「センター1週間前の最終確認にちょうど良すぎる。これのおかげでもう忘れない」「この動画のおかげで近現代はかなり得意になりました」と、受験生から寄せられる一方で、「今は塾講の立場で生徒にもオススメしてます」とのコメントも。
中村さんと木村さんは「こんなにコメントが届くとは完全に予想外。でも顔を見たこともない生徒に貢献できてうれしい」と、画面越しに生徒の成長を見守っている。
■みのりん 教授への道チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC7AOYwLJ6N-p4bIsNpsphZg)
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