世界最高峰のUCIプロツアー選手、3大ツール・5大モニュメント完走――。数々の「日本人初」を打ち立てた自転車選手、別府史之さん(36・赤羽根出身)は、キャリアの集大成に向けて東京五輪に照準を合わせる。
突然の発表だった。契約期間を1年残し、「NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス」への移籍。15年ぶりの古巣復帰に、「人のつながりがあって今がある。自分のキャリアの中で新しい方向性を取る時だった」。
兄2人が夢中になった自転車。三男の史之さんが飛び乗るのは自然な流れだった。室田小5年でロードレース初優勝、「やたら自転車が速い子がいる」と地元で噂になったことも。国内ジュニア大会は総舐め。藤沢北高(現・藤沢総合高)卒業後、海を渡った。
別府さんの武器は、長時間でもペースの乱れないペダリングと、集団を抜き出る技術。。2002年に「ブリヂストン・アンカー」からフランスの「ラポム・マルセイユ」に派遣。05年から世界最高峰の「ディスカバリーチャンネルプロサイクリングチーム」へ。
「自分として最高の走りだった」と振り返る12年のロンドン五輪では24位。15年・16年にジャパンカップを2連覇、16年には日本人初となる3大ツールと5大クラシックの全完走を達成した。
経験を次世代へ
トッププロで15年。「昨季は落車で鎖骨骨折などがあり満足していない」と後悔を滲ませるが、東京五輪の名は、別府さんを突き動かす。
男子出場2枠は、20年5月31日までの世界ツアー成績などで決まる。
東京五輪のコースは、総距離244Km、獲得標高4865m。高低差が激しいコースに「サバイバルな展開になる」と予見し、「ファンや友人に走っている姿を見せたい」と熱も入る。
新チームでは、別府さんが切り拓いた道を追い、海外に挑戦する若武者がいる。「育ってきてくれてうれしい」と喜ぶ一方で、「東京五輪出場は、自分の現在の獲得点でも、まだまだ逆転できる」とライバル心を燃やしている。
機は熟した。開拓者は経験を次代に伝えるべく、そしてキャリアの集大成として今季に挑む。
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