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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2023.01.13

柳島キッチンへの作品提供など画家として創作活動を行う
亀井 佐知子さん
茅ヶ崎出身 29歳

描き出す 生のありよう

 ○…卵の状態からひなになり、やがて空へ飛び立つ。そんな生育課程を表現した作品が柳島キッチンの壁面で存在感を放っている。自作は生き物のありのままの姿に焦点を当てたものが多く、「生の営みから、前向きな気持ちを持ってくれたら」と思いがあふれる。創作する上では、見る人に作品の持つ意味を読み解いてもらうよりも、視覚やインスピレーションで何かを感じてもらうことに主眼を置いている。

 ○…茅ヶ崎育ち。絵本を読んでくれた母のおかげで絵が大好きになり、幼稚園の頃から描き始める。その対象は町の風景、家、動物など幅が広がり、次第に「生活の一部になった」。大学進学後、絵本制作を開始。芸術への道に進む契機は、ある画家の手伝いをしていたとき。促されて描いた生き物の油彩画を展示した際、思いがけず買ってもらえた経験が弾みとなり、一昨年には東京藝術大学絵画科油画専攻で総合芸術を学び直すことに。アトリエで同志の学生たちと創作活動に没頭し、互いに刺激を受ける日々を送る。

 ○…現在は県外在住だが、茅ヶ崎の実家を訪れることも多い。2人の妹とも仲が良いという。両親から愛情を注がれ、これまで自分が取り組みたいことは全て背中を押してくれた。何かを強制されたこともない。「私のことを信頼してくれて、とても感謝している」と顔がほころぶ。母の料理も大好き。一番のレシピは「かぼちゃのミルク煮」だ。

 ○…卒業後は個展の開催に加え、5年以内に大きな芸術祭に出品するのが目標。ヨーロッパ、アジアなどへの海外進出も視野に入れる。「作品から、生の実感、消えゆくはかなさを感じてもらえたら」。生き物と正面から向き合い、生のありようを描き続ける。

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