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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2023.06.23

卒寿記念パッチワークキルト展を7月に開催する
原 侃子(よしこ)さん
浜竹在住 91歳

  • 原 侃子(よしこ)さん (写真1)

一針ひとはり愛情込めて

 ○…半世紀以上にわたって作り続けてきたパッチワークやキルトなど100点超の作品を集めた展示会を7月4日から市民文化会館で開催する。卒寿を機に整理をした所、作品が大量にあったため「嫁や娘が会館を手配してくれて」と恥ずかし気に話す。キルトの仕上げ以外は全て手縫いで、手際や段取りは益々良くなるばかり。「私の生きがいを、色んな人に観てもらえたら」

 ○…5人姉妹の3女として湯河原に生まれた。12歳の頃、母の着物をブラウスに仕立て直したのが初めての縫物で「必要に迫られ、限られたあるもので作るのが私のモノづくりの原点」と目を細める。女学校では空襲警報が鳴ると小田原城の石垣に隠れるなど激動の時代を生き抜き、家政科の短大で洋裁の基礎を学んだ。大手建設会社のOLを務め23歳で結婚。記者として活躍し6年前に亡くなった夫も手作りのシャツやネクタイを愛用した。夫の仕事でバンコクにも住んだことも。タイシルクで子どもたちに服を作り、端切れを活用しようとパッチワークを始めた。「ものを無駄にしないの」とにこり。

 ○…「何を作ろうか」と胸を躍らせ目を覚ます。辻堂駅まで歩いて電車に揺られ、デパートを巡り、雑誌に目を通し流行を探る。最近では姪の孫の入学式用など親族にも服を作り続けている。「自分のすることで人が喜んでくれるから、何かせずにはいられない。針仕事ができて幸せ」

 ○…「一人だから楽をしようとすると際限がない」と、毎食手作りしたものを好き嫌いせず食べるのが健康の秘訣。柔らかな陽ざしの入る仕事部屋で、ラジオを聞きながら裁縫をするのが至福の一時だ。誰かを思い、今日も一針、ひとはり。「針を持ったまま、すうっと逝けたら幸せね」

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