2024年は辰年。茅ヶ崎市内にも「龍」にゆかりの深いスポットが点在しているのをご存じだろうか。新しい年の始まりに、運気アップを目指して歩いてみては―。
湘南海岸サイクリングロード沿い、サザンCモニュメントのすぐ西側に、小さな赤い鳥居があるのを目にした人も多いはず。鳥居の先には石碑がぽつんと安置されており、少々読みづらいものの「八大龍王神」の文字が彫られている。
八大龍王とは、仏教の教えを守る八体の龍神のこと。八大龍王(神)と刻まれた石碑はほかにも、茅ヶ崎漁港駐車場の一画や浜須賀の砂防林のなかなど、主に国道134号沿いにある。
またサザン通り沿いには八大龍王を祭った場所も。南湖の住吉神社内にも鳥居と石碑が設置されているが、これはもともと姥島(烏帽子岩)にあったものを、風や波の影響で壊れることを心配した住民が移設したもの、と伝わっている。
水をつかさどり 漁業の守り神に
内陸部では本行寺(代官町)の霊園内や熊野神社(小和田)境内にも八大龍王碑が祭られている。熊野神社のものは浜須賀のそれと「対」になって設置されたと伝わり、地図アプリなどで確認すると南北にほぼ一直線の場所にあることがわかる。
それではなぜ「八大龍王」の碑が市内に多くあるのか。
茅ヶ崎市博物館の須藤格館長は「茅ヶ崎では昔から漁業に従事している人が多く、海や水に対する素朴な信仰があったと思われる。龍は川や海に住むとされ、水や雨の守り神として考えられていることから、仏教の広がりとともにこうした土着の信仰が八大龍王の信仰へと形を変え、長く受け継がれてきたのでは」と推測する。南湖では豊漁の際、獲れた魚を真っ先に八大龍王に供える風習があったという。
「竜宮城伝説」も
八大龍王にまつわる民話も残っている。
茅ヶ崎村の源三という若い漁師が砂浜で美しい玉を見つけ、後に竜宮城から盗まれたものだと分かり、返したところお礼に玉手箱をもらう。その後、海で嵐にあった源三が玉手箱を手に必死に祈ると雨や風が止み、命が助かる。源三が玉手箱を龍王に返すと、竜宮城から2匹の亀が茅ヶ崎村に遣わされ長く漁場を守った―というものだ。
地域に伝わる民話の伝承活動をしている「茅ヶ崎民話の会」では、毎月第3土曜日に実施している定期上演の一環で、1月20日(土)に茅ヶ崎中央図書館第1会議室でこの「八大龍王」の民話を上演する。午後2時から。
山嵜たか子代表は「10分程度で親しみやすい作品です。ぜひご来場ください」と話している。
|
<PR>
茅ヶ崎版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>