茅ヶ崎・寒川 コラム
公開日:2026.06.12
学芸員のイチ推し! -連載 Vol.43-国史跡指定100年、幻の馬入橋から「古相模川」へ
来(きた)る10月20日、下町屋(しもまちや)の「旧(きゅう)相模川橋脚(さがみがわきょうきゃく)」が国史跡指定100年を迎えます。1198年、鎌倉幕府の御家人(ごけにん)・稲毛重成(いなげしげなり)が亡き妻(北条政子の妹)の供養のため架けた橋の遺構で、落成式には源頼朝も参加しました。
時は流れて1863年、江戸幕府の第14代将軍・徳川家茂(いえもち)が、将軍として約230年ぶりに上洛します。二代歌川広重「御上洛東海道 平塚」は、その行列が相模川の馬入橋(ばにゅうばし)を渡る場面を題材とした浮世絵です。しかしこの時代、相模川には橋は架かっていません。将軍の姿を浮世絵に描くことが禁じられていた当時、橋が存在していた時代の頼朝に、当代の将軍・家茂をなぞらえたというわけです。
旧相模川橋脚となった橋は、あまり長くは維持されなかったようです。橋脚が小出川沿いに位置していることから、相模川の流れも次第に東から西へ移り変わったと考えられています。付近には二百年ほど前まで「古相模川(ふるさがみがわ)」と呼ばれた河川が流れていました。
博物館では7月25日より、その周辺地域にスポットを当てた展示「ちがさき今昔(こんじゃく)―古相模川編―」を開催します。この機会にぜひ、今と昔を往(ゆ)き来(き)してみてください。
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