８月16日、東京新木場で女子プロレスラー・志田光さん（31）が容赦ない打撃の応酬を繰り広げていた。寒川に育ち、女優の横顔をもつファイターとしてファンも多い。演劇とプロレス、歌や踊りも織り交ぜた「魔界」への出演はのべ62回になる。

　歴史上の人物たちが魔界で戦う長編ストーリーで、志田さんはヒロイン「鶴姫」として登場。演技にとどまらず、激しい肉弾戦になると空を舞っての蹴りに拍手が湧いた。

映画に出演

　小さい頃は青少年広場や小谷の森、菅谷神社が遊び場だったという志田さん。幼稚園の頃に劇発表で主役を任せてもらえず、当時の悔しさが振り返れば原点だった。柔道一家に育ち、中学では剣道部の主将を任された。高校卒業後「大学に将来やりたい事はない」と見極めて役者の道へ。オーディションを受けた映画「スリーカウント」（２００９年）はプロレスラーになる事が合格条件だったため、転身を決意。デビュー後は様々な団体で活躍しタイトルも奪取した。今では相手が体重１００kgでも見事なブレーンバスターを決める。試合中に度々「寒川出身」を強調するせいか「寒川」と声援が飛ぶ事も。「私の名前を寒川だと思っている人がいる」（志田さん）。そんな地元にも、よく里帰りするという。

この秋、米国のＡＥＷに参戦

　10月から渡米し「ＡＥＷ」に本格参戦する事も決定している。１万人以上の観客で会場が埋まるほどの、勢いがある新団体だ。海外の選手とは体格が違うが、志田さんは「日本の女子プロレスの技術は高い」と動じない。持前の打たれ強さも引っさげ、リングに上るつもりだ。渡米前の国内最終試合は10月15日・後楽園ホールで開催される。