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平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2012.07.05

柔道女子70キロ級でロンドン五輪に出場する
田知本(たちもと)遥さん
東海大学4年 21歳

五輪の舞台で”一本”



 ○…2月のグランドスラムパリ大会で、70キロ級世界ランク1位のリュシ・ドコス(仏)を破る金星を挙げ、五輪出場を大きく手繰り寄せた。「私を見る周りの目が変わった気がする。監督やコーチに最高のアピールができた」と、成長を実感した大会から3カ月後、代表最終選考会を兼ねた選手権大会で優勝を果たし、代表の座を射止めた。



 ○…経験者の父親に勧められ、小学校2年生で柔道の世界へ。「友達がピアノを始めたので、私も習い事をしたいと相談したら姉と柔道を始めることに。でも面白くないし、すぐにやめたかった」。それでも、6年生まで続けるという約束を守った。中学入学後、柔道場に姉の練習を見に行くと「なぜか私も入部する準備ができていて、父にだまされた感じ」と笑う。おかげで、持ち前の才能は腐らずに済んだ。1年生の全国大会で3位に入賞するなど、将来を嘱望される存在に。地元富山の小杉高校に姉妹で進学後も、国内外の大会で実績を積んだ。



 ○…攻撃的な試合運びが信条だ。「世界を目指す先輩に囲まれた環境は、常に刺激になる」と、東海大学での経験が理想の柔道に磨きをかけた。何よりも自身を奮い立たせるのは、78キロ超級世界ランク1位の姉・愛(めぐみ)さん(23)の存在だ。「いつもけんかしてばかりなのに、結局同じ道を進んできた」と、辛苦を共にした姉はライバルであり、良き理解者でもある。



 ○…「気持ちの入っていない柔道ではなくて、本気で取り組んだらどこまでいけるんだろう」という思いが、世界へと目を向ける原動力になっている。五輪への姉妹出場は叶わなかったが、最高峰の舞台を前に「表彰台の一番上を狙います」と歯切れ良い。柔道最終日の8月3日は、22歳の誕生日。「ロンドンで2つのお祝いができたらいいな」と声を弾ませた。

 

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